
モーターサイクルと生きる男たちが認めたゼロフィニッシュVol.14
マーベリック 平田 清さん
ハーレーダビッドソンに魅せられたメカニックが独立してオープン、ショベルヘッドエンジンから現行モデルまで、新旧ハーレーの整備、車検はもちろん、チューニング、カスタムも手がける『マーベリック』。モーターサイクル・メカニックとして30年以上のキャリアをもつこのショップの主、平田 清さんを訪ね、常にモーターサイクルとともにあった半生とハーレーに対する思い、モーターサイクルのケアについて聞いた。

所有してわかったハーレーダビッドソンの魅力
『マーベリック』は、千葉県千葉市、16号線/357号線という2つの国道に挟まれ、京葉道路の蘇我インターチェンジからもほど近い好立地にあるハーレーダビッドソンの専門ショップ。代表の平田さんは、成和モータース、グッドウッド、ハーレーダビッドソン松戸、シルバーバードと、知る人ぞ知る有名ショップで経験を積んできたベテランのモーターサイクル・メカニック。
そんな平田さんご自身の大型モーターサイクル・デビューは19歳。プライベートではカワサキのZX10やニンジャ、ホンダのCBR1000F、スズキ・カタナなど国産車ばかりを乗り継いできた。特にカタナは初期のモデルばかり4台を乗り継ぐほどお気に入りだった。
「そんなこともあって、当初はハーレーにあまり興味が持てなかったのです。そんな僕の意識を変えてくれたのが中古で手に入れた94年型の赤いローライダーでした。」
自分で所有してあちこち乗り回し、いじりながら、その面白みが理解できるようになり、やがて夢中になったという。
メカニックを目指そうと決めた時から、自分でモーターサイクル・ショップをやってみたいと思っていた。だから2004年の開業はいわば夢の実現だったのだ。
ショップ名の“maverick”は、映画『トップガン』の主人公に由来する。
「トム・クルーズ扮する戦闘機パイロットの一匹狼なキャラクターを、独立して一人でやっていく自分に重ねたのです。」と平田さん。

上はかつての愛車のスナップ。左はスズキ・カタナ。右は平田さんのモーターサイクル観を変えたハーレーダビッドソンのローライダー。ショップ名は映画の主人公に由来。壁には『マーベリック』ことトム・クルーズの写真が飾られている。
ハーレーダビッドソン一筋
マーベリックはハーレーダビッドソンと、スポーツバイク『ビューエル』の専門店。
「お客様からハーレー以外の車種をみてもらえないかとご相談を頂くこともありますが、すべてお断りして、ハーレーだけに特化してやらせてもらっています。ビューエルはハーレーのエンジンを搭載しており、以前の職場でもいじっていたので、お引き受けしています。」
長い歴史を持つハーレーには様々なモデルがあり、その象徴と言えるVツインエンジンも世代ごとにメカニズムが大きく異なる。ゆえに、新旧のハーレーを扱うにはたくさんの知識と豊富な経験が必要不可欠になる。
「1970年代に生まれたショベルヘッドの後期モデルから、エボリューション、ツインカム、レボリューション、現行のミルウォーキーエイト・エンジンまでのハーレーならお任せください。キャブレターもインジェクションもいじりますし、メンテナンスだけでなくチューニングやカスタムもやっています。」
ちなみに平田さんはハーレーダビッドソン松戸在籍時に、ハーレー社による様々な講義や実地カリキュラムを受講、メカニックとしての資格を取得。独立以降は『ハーレーダビッドソン一筋』、その腕前は折り紙つきなのである。

取材当日も、マーベリックには新旧様々なハーレーが入庫していた。左上はショベルヘッドのFLH、右上は現行ミルウォーキーエイト・エンジン搭載のブレイクアウト、左下はハーレーのエボリューションエンジンをチューニングして搭載したビューエル。壁にはハーレー社によって発行されたメカニック資格証明書。下はBMW社発行のボクサーエンジン、並列4気筒エンジンのメカニック資格証明書。
磨くよりも乗っていたい
光り輝くクロームパーツや色鮮やかなペイントは、いかにもハーレーらしいところであり、魅力だと言えよう。ゆえに磨くことが楽しみだというユーザーも多い。でも平田さん自身はそうではないという。
「貴重な休日は、磨くよりも乗りたいと思う方ですね。とにかく走るのが好きなのです。」
必ずやっている愛車ケアは、走ったあとに汚れを取ることだという。
「乗りっぱなしで汚れたままだとスチールが錆びたり、アルミ製のフロントフォークやホイールが腐食してしまう。それが嫌なのでパーツクリーナーで油脂汚れを除去したり、シリコンスプレーをワックスがわりに使っていました。」
そんな平田さんが、「これは手軽でいい!」と最近使っているのが、シュアラスター『ゼロフィニッシュ』だ。
取材に際しては、お客様のハーレーを実際にゼロフィニッシュで磨いていただいた。
まずはエボリューションエンジン搭載のカスタムされた真っ赤なファットボーイを磨く。タンクの塗装面、クロームのメーターナセルやタンクキャップがみるみるピカピカに。
ハンドル周りやエアクリーナーカバーなどクロームのパーツは、くすみがなくなり深みのある輝きに。

「ツヤ消しだったり高温になる部分にまで使えてしまうのも、ゼロフィニッシュのいいところですね。」といいながらマフラーを磨く平田さん。
磨いたあとの手触りがいいゼロフィニッシュ
「汚れがひどくない限り、例えば店内で少しホコリをかぶってしまった程度ならば、シュッとスプレーしてマイクロファイバークロスで拭き上げるだけできれいになる。その手軽さがいい。拭き上げたあとの塗装面の手触りがいいですね。」と平田さんが感じているゼロフィニッシュの魅力を語ってくれた。シートやラバーなどを除くほとんどの場所に使えるから、いくつものケミカルを用意する必要がない。樹脂製のカウルやウインドシールドはもちろん、ヘルメットの帽体やシールドにも使える。「とても使いやすい、いい商品ですね。」と笑顔でお話ししてくれた。
水冷のレボリューションエンジンを搭載したV-RODも磨く。エアクリーナーを覆うツヤ消し仕上げのダミータンクや、後付けされたウインドシールド付きビキニカウルがシットリとした仕上がりに。「拭き上げた部分の手触りがいいですね。」と平田さん。

走行時に、風圧や飛来物からライダーを護り疲労を軽減してくれるフェアリングは、大きいだけに汚れが目立つ場所。ウインドシールドは汚れていれば視界を妨げる。旧車の風格をたたえるショベルヘッドFLHの真っ白なフェアリングとウインドシールドもゼロフィニッシュで磨き上げる平田さん。

「これも磨きましょう!」と平田さんがわざわざ用意してくれたのは、透明のシールドが装備されたアライ製ヘルメット。ゼロフィニッシュをスプレーして丁寧に拭き上げてゆく。ツーリング用だというヘルメットの、ツヤのあるガンメタリックのペイントが室内照明の下でも美しく光る。
こだわりがないことが、こだわり
「僕の仕事はいわばサービス業。お客様が、愛車に気持ちよく乗れるようお手伝いをすることが使命だと思っています。その結果としてお客様に喜んでいいただけることがやり甲斐になる。ご質問に応じたアドバイスをさせていただくことはありますが、僕のスタイルや価値観にこだわることはしません。持っている技術とノウハウでお客様のご要望にお応えしている。ある意味『こだわりがないこと』がこだわりなのだと思います。」
ハーレーが好きでこの仕事をしている、趣味を仕事にしているゆえの苦労もあるけれど…、と平田さんはお話しを続ける。
「お客様の年齢層は20代前半から70代までととても幅広いのです。ハーレーを介しているからこその、いろいろな方たちとの素晴らしい出会いがある。僕の仕事でお客様を笑顔にできることが、やり甲斐につながっているのです。」
筆者が感じている平田さんのお人柄、雰囲気をひとことで表現するならば、『熱さを内に秘めた、温厚な職人』。今回お話し頂いたお仕事に対するスタンスも、とても平田さんらしいものだと感じた。


<プロフィール> 平田 清さん
千葉県出身。最初の職場となったカーディーラー勤務時代に整備士になり、以後はモーターサイクルメカニック一筋。、そのキャリアは30年以上。かつての勤務先ではBMWやドゥカティ、モトグッツィなどの整備も手がける。独立してマーベリックを開店してからは、ハーレーとビューエルに特化。ご自身の現在の愛車ローライダーは現在カスタム中だ。
取材協力:マーベリック
2004年に現在の所在地でハーレーダビッドソン専門ショップとして創業。70年~80年代に生産されたショベルヘッドエンジンから、最新のミルウォーキーエイトまでの整備・修理・車検からチューニング、カスタムまでを手がける。

マーベリック
千葉県千葉市中央区蘇我1-37-17
TEL: 043-263-8019
定休日: 水曜日
http://www.hd-maverick.com

記事で紹介されたアイテム

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●ゼロフィニッシュ
●マイクロファイバークロス
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クルマ、バイクのフィールドを中心に活躍するイラストレーター、クリエーター。アメリカ大陸横断や「ルート66」全行程をバイクで走破。旅をテーマにしたイラストを数多く制作・発表するかたわら、 雑誌・WEB・広告など、様々なメディアにコンテンツを提供。バイクやクルマを軸にしたライフスタイル・フリーペーパー『オンザロードマガジン』の発行人・編集長も務める。
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