
FROM INSIDE #05 プロが魅せられた“ゼロフィニッシュ”
目次
これはバスフィッシングの 強い味方になってくれる
バスフィッシングの世界で広く知られるプロアングラー、「オリキン」こと折金一樹さんに “ゼロフィニッシュ”のイージー施工を体験してもらった。
ラージマウス、ストラクチャー、ティップ。それぞれ大口バス、水中の障害物、竿の穂先のことを意味するという。
そう。釣りの世界には、独特の言い回しやボキャブラリーがとても多い。
釣りに詳しくない門外漢には「?」となるが、ルアーフィッシング好きの間では「!」な、円滑コミュニケーションのための必須ワード。いわゆる専門用語だ。
しかし今回インタビューを受けていただいた折金一樹さんは、それらの専門用語をほとんど使うことなく易しいコトバで話を進めてくれた。
穏やかな語り口からしのばれる柔和な性格。ガツガツしたイメージが強い(失礼!)プロの釣り師とはかなり印象がちがう。
「幼稚園児のときに、父親に連れられて行った餌釣りが人生初の釣り体験でした。たしかハゼだったような。
ふだんの釣り場はもっぱら地元の千葉周辺、堤防でアジ釣りとかわりと多かったですね。はじめてのブラックバス釣り経験は、中学校の同級生といっしょでした。でもそのときはまったく釣れなかった。
その後すぐに、ひとりで釣りに行くようになります。野球部の練習が終わったあとに、ワクワクしながらグイグイと自転車をこいで市原にある池に向かいました。でも目的のバスはなかなか釣れない。
竿を振ることに飽きはじめたちょうどそのとき、たまたま釣り場で知り合った同い年の中学生が『メジャーを貸してほしい』って言うのでついて行ってみると、なんとその彼がビッグサイズのバスを釣り上げていたんです。
その様子を目の当たりにして僕は、がぜんヤル気になってしまう。羨ましくて仕方がない。絶対に釣りたい……
人生がぜんぶ持っていかれるほど、バスフィッシングにどハマりしてしまった瞬間です(笑)」


折金少年、バスフィッシングに覚醒
そんな出来事から1〜2週間後、折金少年は念願のバスをやっとの思いで釣り上げた。サイズは39.5cm。
一生忘れることができない数字だ。
「もううれしくて、うれしくて(笑)。
でも当時13歳の僕はどうしていいかわからない。ふつうはすぐにリリースすることも、知識としては知っていた、
……はずだった。でもそれじゃあ、興奮したそのキモチは治まらない!
そこで感極まった僕は、釣り上げたバスを片手に持ったまま、自転車に乗って池のまわりの公園をグルグルと走り回ったんです。バカですよねえ、誰も見ていないのに。
でもそのときの尋常じゃないうれしさは、そのくらい特別なものでした。それまで釣ったどんな魚のときとも違った、胸の高鳴りがそのときあったんです」
中学生の折金さんは、その池に毎週末通い詰めた。
当時、目が覚めているときの95%はずっとバスのことを考えていたという。そしてその高すぎるモチベーションは、2020年の現在でもそれほど変わらないらしい。
自身の釣りバカっぷりを自嘲的に笑うが、たぶん、本当のことだ。


肝心なのは釣れるか釣れないか
「もちろん今は釣りを仕事にしてしまったので、そのことをきちんと成立させるために考えなければいけないことは、割合としては増えました。
でも釣ることが“真ん中”にあるのは昔も今も変わりありません。根っこにあるものはまったく、変わらない。
釣るための工夫について当時10代だった僕にできたことは、ルアーフィッシング専門誌を熟読してその中身をどうにかこうにか再現しようとしたことくらいでした。そこに書いてあるプロのテクニックをいかに覚えて、見様見真似でマスターしようとする。参考にできるものといえば雑誌くらいでしたから。
その結果身についたスキルが正しいか間違っているかどうかも、確認する術はまったくないないですが(笑)」
それでも釣果は、考えたぶんだけ上がっていったという。
考えなければダメ、考えないと結果にコミットできない。そのことだけは確かだったようだ。
「今は情報もツールも、素晴らしく揃いがいい。望めばそのほとんどが手に入れられる。アングラー(釣り人)にとって、とてもいい時代です。
でも肝心なのは、最終的に釣れるか釣れないかです。
その本質はその頃も今も変わらない。身についたものを自分が活かせるか、活かせないか。その成否は自分の体験を通してでしか実感できないし、実現もできない。
たぶん、プロの世界はみんな同じでしょうね。自分の中できちんと消化できなければ、正解にはなかなか近づけないと思うんです」


ゼロフィニッシュは一度で二度の効果
そんな折金さんは、こだわり極まって自身でルアーも製作してしまうのだからちょっと普通じゃない。
聞けばルアーだけでなく、身の回りのフィッシングアイテムの多くも工夫を重ねて自作してしまう。
「作ることはぜんぜん苦じゃありません。でも一方で、使い勝手のいい既製品があればすぐにでも買います。
これまでは、そういうものがなかったから自分で作っていただけなんです。ツールの使い勝手の良し悪しは、そのままダイレクトに釣果に結びつきます。その一点で妥協したくない。
だから『なければ作る』のです。
今回使わせてもらったケミカル剤、シュアラスターのゼロフィニッシュはそういう意味で、使い勝手がとてもいいですね。
バッカン(活きた魚や撒き餌、釣り具などを入れるマルチユースのソフトな角箱のこと)でさっそく試してみました。
釣りの道具の大半は、きれいにしたいと思ったときに濡れてしまっていることが多い。もちろん水気は拭き取ったほうがいいかもしれませんが、あまり細かいことを気にせずスプレーしてすぐに拭き上げられるゼロフィニッシュはすごくイージーですね。
しかも汚れもいっしょに取りのぞいてくれる。一度で二度の効果、タイムパフォーマンスは倍ですね」


本当に拭くだけ、頑張らなくていい
次に試してくれたのは、ガレージにおさまるバスフィッシング専用ボートだ。
「ボートはなかなかの表面積なので作業もおっくうかと思いきや、ゼロフィニッシュの拭き上げは拭き取るというより“拭くだけ”というカンジ。
かんたんに言えばライト&スムーズ、ゴシゴシと頑張らなくていい。
すごくラクチンなのです。
ボートの後部に架けられている船外機(ボート用エンジン)の外装でもゼロフィニッシュは便利でした。
池や湖などで船外機が浴びてしまう水は、普通の水道水ではありません。どうしても泥や油、季節や条件によっては青粉(淡水で繁茂する藻)などが含まれてしまう。しかも船外機自体も高熱を帯びます。
そんな数々の過酷な条件下でも効果を発揮してくれるというのは、アングラーにとってすごくありがたいですね」
photo:高柳健 text:宮崎正行
取材協力

折金一樹(おりかねかずき)
1979年千葉県生まれ。バスプロアングラー。父の影響により幼少の頃より釣りに親しみ、現在は数々のメジャーなプロトーナメントに参戦し、過去の戦績多数。雑誌やSNSなどのさまざまなメディアで情報発信を続けている。昨年12月開催の「H-1グランプリ・マスターズカップ」では優勝を飾った。
折金プロによるレッスンサービス「オリキンガイドサービス」は人気につき早めの予約がおすすめ。Youtube:オリキンちゃんねる
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MASAYUKI MIYAZAKI
宮崎正行
人文系出版社・夏目書房、自動車系出版社・二玄社/ボイスパブリケーション(『MOTO NAVI』、『NAVI CARS』、『BICYCLE NAVI』編集部)勤務を経て、編集フリーランスとして独立。オートバイ、クルマの専門誌から一般誌、WEB、広告媒体において幅広くコンテンツを制作する。1971年生まれ。自分のアイデンティティは小中高時代を過ごした中野区にあるとひけらかしつつ、大半の時間を埼玉県で費やす。中途半端に旧いモノが大好き。
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