
カーガイが認めたゼロフィニッシュVol.07
MOON HOUSE 久我ひろしさん
戦後、東京の米軍横田基地や立川基地で働く軍人と軍属のために建てられたアメリカンスタイルの賃貸住宅を『米軍ハウス』と呼ぶ。老朽化などによって数少なくなった異国情緒あふれる米軍ハウス。その魅力を体感できるレストラン“MOON HOUSE”を訪ね、そのオーナーにして根っからのCarGuyに、ハウスの魅力、お店のこと、そしてカーケアについて聞いた。

目次
米軍ハウスに魅せられて
1922年(大正11年)東京の多摩エリア、立川市と昭島市にまたがるかたちで建設された立川陸軍飛行場。太平洋戦争終結後には立川基地として米軍が運用、1977年に日本に返還されると自衛隊駐屯地や海上自衛隊をはじめ官公庁の施設が建設された。そのエリア中心には1983年に昭和天皇在位50周年を記念して作られた広大で緑豊かな国営昭和記念公園がある。
現在、公園北側の住宅が建ち並ぶ一角。『関係者以外立ち入り禁止』と英語と日本語で表示された看板の先に、小さいながら芝生のファサートをもつ住宅群がつくりだすアメリカンな雰囲気の町並みがある。米空軍立川基地があった時代から『アメリカンヴィレッジ』と呼ばれるこのエリアには、今も50棟ほどの米軍人向けの住宅が存在しているのだ。そして隣接する『バンブーヴィレッジ』は日本人の生活圏で、1950~60年代に米軍関係者とその家族のために建てられた通称『米軍ハウス』がわずかに10棟ほど現存している。
前置きが長くなったが、今回訪ねた“MOON HOUSE”は、この米軍ハウス(以下ハウス)を改装したレストランだ。建物や周辺環境が気に入って10年以上住んできた日本人オーナーが、自らの手でリビングとテラスを中心にリノベーション、2018年4月にオープンした。
「このあたりのハウスは、アメリカ軍のオーダーにあわせて地元の大工さんが作ったのだと聞いています。今はわずかしか残っていませんが、かつては同じような建物がたくさん建っていたそうです。室内でも靴を脱がない生活が前提で作られている点などはアメリカンな雰囲気ですが、和風な作りも見られる。そんなところもハウスの魅力だと思います。」そう説明してくれたのはこの店の主、ヒロ(久我ひろし)さんだ。

アメリカ人のための設計ゆえドアを開けると玄関がなく、いきなり広いリビングになっている米軍ハウス。そのフロアプランを生かしながら作られた店内は、アメリカのロードサイドにある旧き佳きダイナーのよう。オーナーのヒロさんがこよなく愛するブルースが流れ、とても居心地のいい空間になっている。
こだわりの店づくりと絶品料理
もともと住居だったというハウスを大掛かりに改装してまでレストランをオープンした理由を伺うと、ヒロさんはご自身のライフストーリーについて語ってくれた。
「若い頃、東京都内の高級料亭の板前を経験しましたが、その後は貿易商として世界各地を巡っていました。飲み食いが好きで、出張先では土地土地の美味しいものを食べてきました。」
ヒロさんにとっての人生の転機は東日本大震災だった。
「大きな災害を目の当たりにして、食べることのありがたさ、大切さを再認識し、食の安全についても考えるようになりました。以降自分で料理をする機会が増えました。そしていつしか『食を通して人のためになることをしたい。』と考えるようになったのです。」独立を見据えて立川のイタリアンレストランでの修行、並行して自分が住んでいたハウスをレストランにリノベーション、MOON HOUSEをオープンするに至った。
店内にディスプレイされたヴィンテージアイテムの多くは、ヒロさんが長年にわたり世界中で買い求めてきた、いわばプライベートコレクションだというから驚く。
おつまみからフルコースまで楽しめるお料理は定番のほか、季節ごとのスペシャルメニューも用意される。ハウスの雰囲気に似合うアメリカの南部料理とイタリアンをベースに、四季折々の素材を生かしたメニューを創作。仕込みから盛り付けまでヒロさん自身の手によって供されるお料理の数々は絶品だ。

MOON HOUSEの雰囲気づくりに欠かせない本格的なヴィンテージアイテムのほとんどは、レストランのオープンを計画する以前からヒロさんがアメリカをはじめ世界中で手に入れ、コレクションしていたものだという。

ヒロさんの目利きで厳選した素材を自身の手で調理。スピードよりもクオリティ=味を重視して丁寧に仕上げられたお料理はどれも絶品だ。
長年愛用してきたシュアラスター
これまでに数えきれないほどのクルマを乗り継いできた正真正銘のCarGuy、ヒロさんに、車歴の中で印象に残っているのは?と訪ねた。
「ゴルフ2、シボレーのタホ・スポーツは両方ともヤナセのお世話になっていました。外観が赤とサフェーサーグレーのシボレーC10ピックアップや、神奈川のショップ、クワドロペットでV8エンジンにスワップしたトヨタのランドクルーザー40も気に入って乗っていましたね。」
そんなヒロさんの店のカーポートに現在収まっているのはボルボ240。ボクシーなスタイルが魅力のスウェーデン生まれのセダンが、食材の仕入れをはじめ日々を共に過ごしているパートナーだ。
「あえてスチールホイールを履いて、車高を調整して、自分好みに手を入れながら乗っています。かつては日本でも人気があった240ですが、今ではVOLVOのロゴが入っていても『これどこのクルマですか?』と聞かれることもある。そんなところも気に入っています。」と愛車を前に楽しそうに話してくれた。
シュアラスターのゼロフィニッシュに話題が及ぶと、「懐かしいですね~、シュアラスター!」とヒロさん。
「まだ10代の頃、初めて乗ったシビックにシュアラスターのインペリアル・ブライトマスターを奮発しました。」
仕上がりのツヤ感はもちろん香りも好きで、以降もガレージには必ずシュアラスターの固形ワックスが常備されているという。一方、環境が変わってカーケアに時間がかけられないというジレンマもあるそう。
「ボディ用のワックスをはじめ、樹脂、メッキパーツ専用のケミカルなどを使って時間をかけて一生懸命カーケアしていました。しかし自分の店をもって忙しくなって、今でもクルマは好きだけど丁寧に洗車してやれなくなってくる。」そうお話ししてくれたヒロさんに、ゼロフィニッシュを使っていただいた。
鮮やかなブルーのボディをゼロフィニッシュ施工するヒロさん。「ボディはもちろん、樹脂製のモールやバンパー、ウインカーレンズ、樹脂メッキのエンブレム、クロームメッキのドアミラー、つや消しにペイントされたピラー、セミグロスブラックのホイールなど、いろいろな部分がゼロフィニッシュ一本でケアできる。この手軽さがいいですね。」
ヒロさんには事前にゼロフィニッシュをお渡ししていたので、梅雨時にも使っていただけた。「ゼロフィニッシュでケアしていると目に見えて水弾きがよく、それが結構長持ちしていました。雨上がりにさらに施工してやると、艶が増してゆく印象もありますね。」と、とても気に入ってくださったようだ。

「以前はシュアラスター の固形ワックスをはじめ、パーツの素材や仕上げにあわせて複数のケミカルを使い時間をかけてカーケアをしていました。しかし最近は忙しさを言い訳に愛車を可愛がってやれなくなっていました。このゼロフィニッシュは、いろいろな部分に使えるしホントに手軽で便利。僕だけじゃなく現代を生きる忙しいクルマ好きみんなにいい製品だと思います。」と語ってくれたヒロさん。
もう一台の愛車は、ハーレーダビッドソンのスポーツスター1200S。「ゼロフィニッシュはバイクにも便利でいいですね!」と言いながら883ccモデルから移植したイエローのスモールタンク、メーター周り、ヘッドライトやライトバイザーをケア。いつも小屋型のガレージに保管しているそうだが、出かける前にササッとケアしたいときにいいとヒロさんは言う。
「エアクリーナーカバー、エンジンブロック、そしてマフラーなど、高温になる部分にも何ら心配なく使えるなんて、凄い!」と感激するヒロさんに、ヘルメットやシールドもケアできることをお伝えすると、早速愛用のBucoフルフェイスをゼロフィニッシュ施工。その仕上がりに大満足の様子だった。
「クルマやバイクが大好きなお客さんも多いので、皆さんにご紹介したいですね。」と言ってくれた。
仕事ができることがありがたい
日々を楽しみながらMOON HOUSEを切り盛りしているヒロさんも、昨年から続く飲食店に対しての自粛要請と無縁ではいられない。「もともと、クルマで来店されるお客様のためにノンアルコールビールやソフトドリンクもご用意していますが、僕の料理はお酒と一緒に楽しんでもらいたい。なので今年の5~6月は思い切って休業し、店舗スペースを拡大改装しました。」
店舗を広くして、愛用していたオーディオを設置して、一段と居心地のいい空間ができあがった。
「しかしこの夏も店を開けられない日が多くなりそうで、ならば今までできなかったこと、例えば新しいメニューを考えて試作したり、それから2台の愛車のカスタム計画も実行に移しています。」
以前から何度かお邪魔していたMOON HOUSEをリニューアルオープン後、6月の末に訪ねた時のこと。閉店間際にヒロさんに声をかけると「久しぶりで何だか段取りが今ひとつでしたが、来てくださったお客様のために料理を作って喜んで頂けることが嬉しい。仕事できるのがありがたいし、楽しいですね。」と満面の笑顔でお話ししてくれた。
ハウスの魅力に触れたい、ヒロさん自慢の料理を味わってみたいという読者貴兄は、ぜひMOON HOUSEのフェイスブックやインスタグラムで最新の営業情報ををチェックの上、是非立川に出かけてみてほしい。

久我ひろしさん
料亭の板前、貿易商を経て2018年に自らの店、MOON HOUSEをオープン。こだわりの店づくりはもちろん、食材の仕入れから調理まで一貫してご自身の手で行なっている。若い頃からバイク・クルマ好きで、現在の愛車はボルボ240セダンとスポーツスター。
取材協力:MOON HOUSE

特徴的な平屋の外観、そして広々した店内は米軍ハウスならでは。雰囲気にマッチした装飾はすべてオーナーのコレクション。おつまみからフルコースまで楽しめる絶品メニューは、四季折々の素材を厳選したオーナーのオリジナルだ。「デッキからハウス越しに見る月が凄くキレイで、僕のお気に入りの景色なのです。それで店を始めるときにMOON HOUSEと名付けました。」とオーナー。
MOON HOUSE Food.Drink&BLues
所在地: 〒1900032 東京都立川市上砂町1丁目3−6 バンブービレッヂ18
電話: 042-848-3780

記事で紹介されたアイテム

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■ゼロフィニッシュ
■マイクロファイバークロス
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クルマ、バイクのフィールドを中心に活躍するイラストレーター、クリエーター。アメリカ大陸横断や「ルート66」全行程をバイクで走破。旅をテーマにしたイラストを数多く制作・発表するかたわら、 雑誌・WEB・広告など、様々なメディアにコンテンツを提供。バイクやクルマを軸にしたライフスタイル・フリーペーパー『オンザロードマガジン』の発行人・編集長も務める。
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