カーガイが認めたゼロフィニッシュ Vol.05
カリフォルニアトラック製作所 小川大佑さん

卒業旅行で訪れたカリフォルニア州ロサンゼルス。それまでアメリカ文化にさほど興味をもっていなかったが、西海岸の陽気な雰囲気や、見るものひとつひとつに感動し、カルチャーショックを受けた。現地で見たカッコいいフードトラックを日本に紹介したい。そんな思いで『カリフォルニアトラック製作所』を立ち上げたという“Food Truck Guy”、小川大佑さんに、ゼロフィニッシュを試していただいた。

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フードトラックで日本を元気に!

工務店を経営する父上のもとで育ち、幼い頃からモノづくりに親しんできた。中学に上がると現場や工場で家業を手伝った。

「大学卒業後、カラオケ機器レンタルの営業職に就きましたが、卒業旅行で訪れたカリフォルニアでの経験が忘れられなかった。あのポジティブな雰囲気がたまらなく好きになってしまったのです。2年半で退職して再び渡米しました。」

あちこち歩き回っていろいろなものを吸収する中で小川さんのアンテナに引っかかったのが、街角やビーチで営業している大きくて色とりどりの『フードトラック』だった。

「日本にも移動販売とかキッチンカーの文化はあるし、街角やイベント会場などで僕も利用していました。しかしカリフォルニアで見たそれは、とにかく明るくて楽しい雰囲気で、カッコよかった。ちなみにアメリカでは『フードトラック』と呼ぶのがポピュラーです。」

LAを拠点に語学などを学びながら3年半ほど生活、バックパッカーとして中南米を中心にたくさんの国を訪ねた。そして2011年の3月11日、メキシコシティ滞在中に東日本大震災の発生を知る。

「いてもたってもいられずに、すぐに帰国しました。アメリカ滞在や、中南米の旅での経験を、何らかのカタチで日本で役に立てたいと考えました。そして始めたのがフードトラックによる移動販売でした。父が仕事で使っていた軽トラックを譲ってもらい、それをベースに自作したフードトラックで営業を始めたのは2012年のことでした。」

持ち前のバイタリティをもって数多くのイベントに出店。アメリカで身につけたセンスで仕上げたカッコいいミニ・フードトラックと、唯一無二のレシピによる『ハンティントン・ロール』は人気を呼び、誰もが知る有名音楽フェスの主催者からも声がかかるようになる。確かな手応えを感じた小川さんは、本場のフードトラックでリアルなカリフォルニア・スタイルを再現することを決意。アメリカ・グラマン社製のステップバンを輸入して、沖縄料理のフードトラックを走らせるようになったのは2014年のこと。首都圏はもちろん、それまでに作り上げたネットワークを生かして、沖縄やロサンゼルスでも営業する機会を得た。

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左上は軽トラックをベースに小川さんが自作した初期のフードトラック。右上はアメリカから輸入したフードトラックでの出店風景。下は小川さん自身がアメリカで出店した際のスナップだ。

フードトラックを広めるために

独自の視点と行動力でビジネスを成功させてきた小川さんの次の目標は、フードトラックの輸入・製造・販売だった。

「僕に素晴らしい経験をさせてくれたフードトラックのカルチャーを、もっと広めたいと考えるようになったのです。そのためには自分が乗って営業していてはダメだと気付きました。7年間やってきたビジネスやクルマづくりのノウハウをもとに、トラックを提供する側になろうと決めたのです。」

車両の電気・ガス・水道の配線や配管、衛生管理に対する配慮、営業時のお客様やスタッフの動線など、これまで学んできたことのひとつひとつがノウハウとして小川さんの中に蓄積されている。それをベースに本場アメリカの四角くて背が高い『ステップバン』と呼ばれるトラックを現地のスタッフの力を借りて調達、フードトラックにカスタムして輸入する。顧客の用途や日本の法律に合わせたモディファイは国内で実施、ニーズがあれば出店・運営に関するアドバイスもできる。これが小川さんが考えた『カリフォルニアトラック製作所』のコンセプトだ。

「すでに飲食店をやっている事業者にも、フードトラックを導入して二刀流のビジネスを提案したいと思っていました。ところが、『カリフォルニアトラック製作所』として旗揚げを決めた矢先のコロナ禍です。フードトラックが出店するイベントがなくなってしまった。飲食店に対するニーズも変わり、TO GO(持ち帰り)とデリバリーがメインになってしまいました。」

そこで小川さんは、カリフォルニアにいる仲間たちと連絡を取り合いながら新たなアイデアを創出する。

「昨年来、アメリカでは新しいタイプの移動店舗が注目を集めています。ステップバンを活用したトレーニングジム、バーバー、エステやネイル、アパレルショップ、タトゥースタジオまであります。お客さんがいる場所に店舗ごと出かけてゆく『モビリティビジネス』には無限の可能性があると思うのです。不動産=店舗にこだわらず、可動産=フードトラックで営業しませんか?という提案を、『カリフォルニアトラック製作所』の柱にしようと頭を切り替えました。」

大きな室内空間を持つステップバンの使いやすさを、日本でビジネスをしている様々な業界・業種に紹介したいと、小川さんは言う。

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これは『カリフォルニアトラック製作所』が輸入したシボレー・ステップバン。オクラホマ州のタルサ空港で機材などを運搬するバンとして使われていた1990年製。走行距離わずか15,900マイル(25,440km)で整備が行き届いた極上車だ。フードトラック用の架装、すなわち側面の跳ね上げ式の窓や、ガスボンベなど調理機器の出し入れに便利なハッチ、大型換気扇、内装の壁面仕上げまではアメリカの事業所で施工済みだ。質実剛健で個性的な外観と、四角四面の大きな室内空間は、日本の商用車では再現不可能だ。

フードトラック・ガイのカーケア

対面するまで、カリフォルニアとアメリカ車が大好きな人なのだろうと勝手に想像していた筆者に、小川さんは笑顔で言った。「僕、クルマには全然詳しくないのです。アメリカ製のシボレーとかグラマンのステップバン、フードトラックについては詳しいですが。これが停まっているだけで景色がカリフォルニアになってしまう。そんなフードトラックが大好きなのです。だから僕は、カー・ガイじゃなくて『フードトラック・ガイ』ですね!」

そんな小川さんに、カーケアについて聞いた。

「もともとキレイ好きです。それにフードトラックは飲食業のためのクルマですから、自分がイベントに出店していた当時から外観も内装=キッチンも常にキレイにするように心がけています。ムーンアイズ主催のカスタムカーのイベントに出店した時に、菅沼さん(註:日本のアメリカンカーカスタム界の重鎮、MOONEYES代表のShige菅沼さん)に、『フードトラックであってもクルマはいつもピカピカに磨いておきなさい!』とアドバイスをいただいたことがあり、以来タイヤまでピカピカにするようになりました。」

フードトラックは中古のステップバンをベースに作られることが多い。ステップバンはDHLやFedExなど宅配便をはじめ、米軍や警察、消防局、工事現場の作業車など、あらゆる現場で使われるポピュラーな車両だ。

「僕たちはその中から走行距離が少なくて外観がキレイな車両を厳選していますが、色はもちろん仕様やコンディションにはばらつきがあります。仕上げて納車する前に、ボディは洗車して、車内のステンレスの壁面は、ステンレス専用のケミカルを使って磨いています。」

そうお話ししてくれた小川さんに、シュアラスター のゼロフィニッシュを使っていただいた。

シボレーのステップバンをベースにしたフードトラックをゼロフィニッシュ施工する。「軽量なアルミのボディにごく簡単なペイントがされているだけの働くクルマですが、キレイになりますね~。」と楽しそうな小川さん。メッキのヘッドライトトリムやスチールのバンパー、メッキのホイール、樹脂製のテールレンズ、“StepVan”のエンブレムなどをケアしてゆく。

運転席に座り、樹脂製のハンドルやメーターパネル、スチールのダッシュボード、樹脂製のサンシェードなどをゼロフィニッシュでケア。「伸びがよくて拭き取りが楽。使いやすいですね~。もともとキレイ好きなので、楽しくて止まらなくなります!」

ステンレスの壁面が眩しいキッチンカーの後部をケアする小川さん。「これまでアメリカ製のキッチン用、ステンレス専用クリーナーを使っていたのですが、どこでもこれ一本でケアできて、ガラスコーティングまでしてくれ、耐熱性が高いゼロフィニッシュは、フードトラックにもピッタリですね!」と笑顔で手を動かし続ける。

ステップバンでは大き過ぎるという声に応えて作った、軽トラックベースのフードトラックや、愛用のビーチクルーザーももケアする。「手軽に使えて本当にいい。キレイにするのが楽しいですね!」とすっかりゼロフィニッシュがお気に入りの様子だ。

世の中を楽しくしたい

『日本の道路事情ではテップバンベースのフードトラックでは大き過ぎる。』という声も、当然ある。それに対しても小川さんは答えを用意している。

「軽トラックをベースに、カリフォルニアのフリーウェイにも似合いそうな小さなフードトラック、その名も”CALIF IN THE BOX”をオリジナルで製作しました。荷台に積む大きな箱をアメリカで作り、ステップバンと一緒に輸入するのです。」

アメリカ製の素材や建具などによって作り上げた実車の雰囲気は確かに日本離れしている。

「ステップバンのフードトラックとともに、この箱を飲食だけでなくさまざまなビジネスや、車中泊などいろいろな用途に使っていただきたいと思っています。僕たちがやっているのは、ステップバンや軽トラをベースに、世の中を楽しくするためのONE&ONLYな箱、空間を提供することです。」

そう笑顔で語る小川さんと『カリフォルニアトラック製作所』の活動は、まだスタートしたばかり。これからの展開に注目だ。

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日本の道路事情を考慮して軽トラックをベースに作った”CALIF IN THE BOX”。荷台部分に載せたオリジナル設計の箱はアメリカ製。コンセプトはカリフォルニアのフリーウェイにも似合う小さなフードトラック。旧き佳きアメリカ車をイメージさせるフロントフェイスは、軽自動車のカスタムを手がける神奈川の“Blow”によるFRP製。

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ロサンゼルスにある事業所のスタッフがアメリカで上質なステップバンを仕入れ、用途に合わせた架装を施して日本に輸出している。右はアメリカのスタッフとのスナップだ。

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<プロフィール> 小川 大祐
カリフォルニアトラック製作所代表にして、国内営業、企画、広報を担当。2012年に個人事業主としてフードトラックを開業。日米の大型イベントなどへの出店を経験。2020年6月、LAスタイルのトラックで日本を元気にすべく、カリフォルニアトラック製作所を立ち上げた。

取材協力

カリフォルニアトラック製作所
埼玉県朝霞市上内間木803
https://califtruck.pro/

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