
モーターサイクルと生きる男たちが認めたゼロフィニッシュ Vol.05 カフェ&ライダースハウス はらっぱ 野澤高明さん
バイクとアウトドアの達人が経営するのは、バイク乗りの憩いの場である『カフェ』、そしてツーリングライダーが羽を休める安価な宿泊施設=『ライダースハウス』、二つの機能をあわせもった魅力的な場所。
東京・葛飾区と足立区に隣接、首都高の八潮南インターからほど近い埼玉県八潮市にある『はらっぱ』を訪ねた。

目次
ツーリングライダーが集う場所
同好の仲間とともにさまざまなイベントを仕掛けてきた野澤さんは、2018年に『カフェ&ライダースハウス はらっぱ』をオープンするよりも前、足立区の清掃事務所に勤務していた頃からいろいろな活動の旗振り役を担ってきた。
自治体に掛け合って公共の場所を借り、野外ライブやアウトドアイベントをやってきました。東日本大震災の時にはそのノウハウやネットワークを活かして、被災者支援活動も行いました。ずっと『はらっぱ』という名義で活動していたので、独立してはじめたお店の名前もごく自然に『はらっぱ』になったのです。
そんな野澤さんが奥様とともに営んでいる『カフェ&ライダースハウス はらっぱ』には、いつもたくさんのバイク好き、ツーリング好きが集っている。『ライダースハウス』とはバイクや自転車で旅するライダーのための簡易宿泊施設で、北海道などに多く見られるが、首都圏ではごく稀な存在だ。
特に宣伝しているわけではありませんが、遠方からもツーリングライダーが来てくれます。ここまでバイクでやってきて、最寄りの八潮駅から電車に乗り換えて東京都内に出かける出張のビジネスマンもいます。
ご自身も筋金入りのツーリングライダー。冒険家の風間深志さんが主催、一日で650キロを走り切るイベント、『SSTR=サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー』にも2015年以来毎年参加している。
『はらっぱ』のフェンスに無数に貼られているのは、SSTRの参加者が来店の証として残していったゼッケンなのだ。

「はらっぱ」にはいつもバイク好きが集い、情報交換に余念が無い。駐輪スペースのフェンスは来店したライダーが貼ったツーリングイベント「SSTR」のゼッケンで埋め尽くされている。名物メニューは鉄瓶で沸かしたお湯で淹れたコーヒーと、「ホンダ社食のカレーうどん」だ。
バイクやアウトドア用品満載の『はらっぱ』
別棟の広いガレージには、初めてSSTRに参加した際に乗った50cc(!)のモンキーバハや、今や貴重なモトラ、モトコンポなどが保管されている。
営業終了時にはメインの愛車である2台のスーパーカブもここに収納される。
ツーリング、キャンプ好きの野澤さんは、鉄鍋(ダッチオーブン)や、オイル・ランタンなど、アウトドア用品にも造詣が深い。コールマン製のヴィンテージ・ランタンやバーナー、コンロ、スモーカー(燻製機)、ロッジの鉄鍋など、数え切れないほどのアウトドアアイテムもここに収納されている。
誰かが置いていったものもあるし、仲間に譲ってあげたりすることも。自分でもどれだけあるのかわかりませんね。
と野澤さんは笑う。
ガレージに収まり切れないクーラーボックスやウォータージャグ、ストーブなどは、ライダースハウスとして提供している宿泊ルームにも置かれていた。

モンキーバハやモトラとともにガレージに収まるのはこだわりのアウトドアアイテムたち。野澤さんご本人も何がいくつあるのか把握し切れないという圧巻のボリュームだ。黒い軽自動車は50年近く前にマツダによって製造されたポーターのピックアップ。

こちらはカフェの2階、ライダースハウスとして利用者に提供している宿泊ルーム。室内には野澤さんこだわりのアウトドアイテムがディスプレイがわりに。さりげなく置かれた名作漫画「750(ナナハン)ライダー」に思わず手が伸びる。
ミニマムな乗り物の魅力
これまで大型を含むいろいろなバイクに乗ってきましたが、気づけば原付や110ccのホンダ製の小さなバイクばかりが手元に残った。クルマも、バイクが何台も積めるシボレーの大型バンに乗っていましたが、今は軽自動車。スズキのエブリーはキャンプ用、昭和47年製の小さなピックアップ、マツダのポーターは買い物のアシとして活躍してくれています。
という野澤さん。
前述の通り、今所有している原付や小型バイクでSSTRに参加、高速道路を一切使うことなくゴールである石川県の千里浜まで走っている。
他にも北海道をはじめしばしば長距離ツーリングに出かけるというから恐れ入る。
一般道路をゆっくり景色を楽しみながら走るのです。この楽しさを知ってしまうと、大型バイクでのツーリングが味気ないものに思えてしまい、唯一手元にあった大型バイクも最近手放してしまいました。
そんな野澤さんの今一番のお気に入りであり、メインで使っている“ツーリングバイク”は、2019年式の赤いスーパーカブ110。フロントには旭風防のウインドシールドとナックルガード、リアにはGIVIのトップケースを装備。
以前所有していたハンターカブからは予備燃料タンクも移植している。

ツーリングのための装備が充実した野澤さんの2019年製スーパーカブ110。チューブレスタイヤを履くために台湾製のキャストホイールに換装するなど、細かいモディファイも施されている。
日課はゼロフィニッシュでの愛車ケア
昨年モデルでガレージ保管、まだ5,000キロほどしか走っていないからたいして汚れていないと思っていたカブをゼロフィニッシュで磨いてみたら、ガラスコーティングの効果もありツヤ感が全然違って見える。それで楽しくなって今ではポーターも含め、全ての愛車をゼロフィニッシュで磨いています。
バイクのケアは『はらっぱ』前の駐車スペースで行なうことが多い。それを見た馴染みのお客様が、高い確率でゼロフィニッシュを知っていたという事実にも驚いたという。
ウインドシールドやナックルガード、車体の外装、クロームのヒートガードやアルミホイール、つや消し塗装されたGIVIのケースなど、車体の多くの部分をゼロフィニッシュを使って丁寧に磨く野澤さん。
樹脂、アルミ、マット塗装、クローム部分やマフラーにも
ウインドシールドや外装の樹脂部分、アルミホイール、マットブラックのトップケースなど、素材や仕上げが違っても気遣いなく使えるのがいいですね。
赤いカブを磨き終えると次は、買い物などに使っている10年選手のグレーのカブ110も磨く。
ホイールなどクローム部分もいいツヤ感になりますね。高熱になるモリワキ製のマフラーを磨いてもシミになったりしないから安心して使えます。
休日やお客様がいらっしゃらない時間帯、「はらっぱ」の駐輪場は野澤さん専用の愛車ケアスペースになる。野澤さんと奥様が乗る二台のモトコンポ、赤カブとお買い物用のグレーのカブが青空の下で光り輝いていた。グレーのカブも車体の外装からマフラーまで、ゼロフィニッシュでピカピカだ。
ヴィンテージ・ランタンにも!
ひとしきり愛車たちを磨いた野澤さんが、モトコンポのハンドルとシートを畳み始めた。
80年代初頭に生まれたユニークなデザインのモトコンポというバイク、同時期に発売され一世を風靡したホンダのコンパクトカー、シティのラゲッジスペースに積むことを前提に設計されたもの。
その「畳める」という特徴を活かして野澤さんが思いついたのが、2台のモトコンポをピクニックテーブルにしてしまうというアイデア。並べたモトコンポの上にコンパネを載せてタイダウンベルトで固定、テーブルクロスを敷いてしまえば、安定感抜群のテーブルに早変わり!
このセットをエブリーやポーターに積んでイベントやキャンプに行くのです。
と言いながら設置したテーブルに、コールマンのヴィンテージ・ランタンを並べ手際よくベンチレーター(上部の傘状の部分)を外していく。
ランタン磨きにもゼロフィニッシュを使っています。ホワイトガソリンを燃焼させるタイプのランタンは、言うまでもなく高温になります。高い耐熱性能をもつゼロフィニッシュだからこそ安心して使えるのです。
と言いながら野澤さんは楽しそうにランタンを磨いていた。

野澤さんのオリジナル「モトコンポのピクニックテーブル」ができるまで。ハンドルやシートが畳めるモトコンポならではの安定感抜群のテーブルはアウトドアにピッタリ!

ご自慢のヴィンテージ・ランタンも抜群の耐熱性能を誇るゼロフィニッシュで磨いている。
これからも『はらっぱ』とともに
野澤さんは『はらっぱ』が今のカタチになるよりもずっと前から、キャンプ好き、バイク好きの仲間と旅をしたり、イベントを開催したりして楽しんできた。だから同好の仲間と過ごす時間は、自身の生活の一部なのだ。
カブに乗る仲間や、地元の郵便局、信用金庫、出前をやっているお店など、日々カブを愛用している人たちにも声をかけて、約60台のカブで交通安全啓蒙のためのパレードをやったりと、バイク乗りの、そして地域のコミュニティーの中心人物でもある野澤さん。
取材時は、すでに新型コロナウイルスによる自粛ムードが首都圏を覆っていた。
最近では地元・中川の河原を借りて、月一回ペースでバイク乗り、アウトドア好きを集めて、持ち寄ったインスタントラーメンをみんなで作って食べるというだけの『ラーメンブレーク』というイベントをやっていました。それも今の厄介な状況が沈静化するまでお休みです。早くみんなが笑顔で集まれるようになって欲しいですね。
この原稿を書き上げた4月19日現在、野澤さんもお店の営業を休止している。
ライダーたちの心のよりどころでもあるここ『はらっぱ』に、バイク好きの笑顔が溢れる日が、一日も早く訪れてくれることを願ってやまない。

柔和な笑顔とともにカブやツーリング、イベント、アウトドアアイテムなどいろいろなお話しをしてくれた野澤さん。

「ゼロフィニッシュは本当に気に入っちゃって、いろんなものを磨いています。これからも『はらっぱ』を起点に、楽しいことをいろいろ仕掛けていきたいですね。」
取材協力

カフェ&ライダースハウス はらっぱ
埼玉県八潮市大瀬1509-2
TEL: 048-934-9836
営業日時はホームページ/野澤さんのFACEBOOKページをご参照
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クルマ、バイクのフィールドを中心に活躍するイラストレーター、クリエーター。アメリカ大陸横断や「ルート66」全行程をバイクで走破。旅をテーマにしたイラストを数多く制作・発表するかたわら、 雑誌・WEB・広告など、様々なメディアにコンテンツを提供。バイクやクルマを軸にしたライフスタイル・フリーペーパー『オンザロードマガジン』の発行人・編集長も務める。
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