自転車ケミカル

プロ選手が語る自転車メンテナンスの重要性

2020年に新たなサイクルプロリーグとしてスタートした「JAPAN CYCLE LEAGUE(JCL)」にて強豪チームとしのぎを削る地域密着型プロチーム「さいたまディレーブ」。その中心選手としてチーム内をまとめ上げ、またチームの顔として活躍する岸崇仁選手と、ムードメーカーとしてチームの雰囲気を盛り上げる半田子竜選手にインタビュー。自転車の楽しみ方ややロードレースの魅力とともに、新発売のシュアラスター自転車専用ケミカルをアマチュアサイクリストはどのように使ったら効果的なのか?プロ目線の使い方を聞いてみた。

自転車との出会いからプロ選手になるまで

岸選手の自転車との出会いは、中学時代にMTBに一緒に乗らないか?とおじいさんに誘われたことだった言う。当時周りの少年同様サッカーに打ち込んでいたのだが、初めてのスポーツバイク体験はその後の彼の人生を変えることになる。MTBで自転車に魅了された岸選手は地元のサイクルショップが運営するクラブチームに所属し、ロードレースへ出場。そしてヨーロッパのサイクル王国ベルギーで武者修行をすることで人脈を広げ、帰国後に所属したチームにてプロ選手としてのキャリアをスタート、その後さいたまディレーブの立ち上げと同時に主力選手として加入することになる。

一方、半田選手の自転車との出会いは、小学校で開催された自転車教室。彼が生まれ育った宇都宮には、さいたまディレーブと同じJCLに参戦する強豪チーム「宇都宮ブリッツェン」があり、地域密着プロチームの活動として半田選手の通う小学校でもブリッツェンの選手が教える自転車教室が開催されていた。そこで初めてロードバイクにまたがるプロ選手をみて、スポーツバイクと選手のかっこよさに一瞬で魅了され、その後自転車競技に反対する家族に内緒でロードバイクを購入。社会人として働き出した時からは家族にも認められ、仕事と両立して自転車競技活動を始めることとなり、いくつかのクラブチームを経てさいたまディレーブにてプロ選手としてのキャリアをスタートさせることとなった。

自転車競技の魅力

両選手に自転車競技の魅力を尋ねてみると、ロードレース特有の勝敗の決し方にすべてが詰まっていると言う。自転車ロードレースは、1人を勝たせるためにチームとして作戦を立ててそれぞれが役割を持って動き戦うスポーツだが、そのレースの結果やシーズンを通して評価されるランキングは個人の順位のみ。レース中にチームメイトをアシストするどんなに素晴らしい動きをしても、記憶には残るかもしれないが記録には残らない。チームの作戦の中で役割をこなしながらもプロ選手として個人成績の「結果」も求められる非常に難しいスポーツだ。

それを岸選手は「参加選手全員が優勝をめざして走る気持ちのぶつかり合い、生身の人間の闘い」と表現する。また「1人で走りたいならヒルクライムレースの方が楽しいだろうけど、ときにはチームのために自分の成績を捨ててでも走るし、逆にチームメイトに助けてもらって自分が優勝を狙いに行くときもある。レース展開で変化する状況を判断しながらチームで走り個人の成績も目指すロードレースにしかない魅力に楽しさを感じています」とも。

半田選手は「チームで走っているのに勝つのは1人、サッカーや野球のように全員が優勝ではない。そして完走すれば出場選手それぞれに順位が付く価値、それが評価されていくところに魅力を感じるし、自転車ロードレースでしか得られない楽しさですね」とも言う。

そしてさいたまディレーブとしては、チームも新しいし若い選手ばかりで勢いとチームの雰囲気は最高に良い状態なので、今シーズンはまず表彰台に立つことを目指しているとのこと。自分を追い込んで限界までトレーニングするのは辛いことも多いのは容易に想像がつくが、とても楽しんでレースを戦っていることを強く感じる。しかしその原点は、初めてスポーツバイクに乗ったときの爽快感や自分の体一つで遠くまで乗れたときのまるで旅をしているかのような楽しさであるし、その楽しさを追求していった延長線上にロードレースが存在し、プロ選手となりそれが競技であっても楽しいと感じる瞬間はサイクリングを楽しんでいたあの時と変わらないようだ。

自転車のメンテナンスや洗車の重要性

プロ選手として日常のトレーニングやサイクリングで、月間2000km以上自転車に乗る二人に、普段のメンテナンスはどうしているのかを聞いてみると意外な答えが返ってきた。

プロ選手であれば自転車の構造にももちろん詳しいだろうから、なんでも自分でやってしまうのではと思っていたのだが、ふたりとも洗車やタイヤ交換のような簡単な作業以外は自分では一切手を付けず、長年付き合いがあり信頼がおけるサイクルショップにすべて任せているという。

なぜかと理由を聞いてみると、プロ選手だからこそ自分の使う機材は「メカニックのプロ」にちゃんとメンテナンスをしてもらうという安全に対する強いプロ意識を感じる。

また、自身で洗車をする大きな理由は、お二人はもともと洗車作業自体が好きだと言うこともあるが、毎日乗る自転車だから愛着も湧いてくるし、洗車の際に各部をチェックすることで異常がないか確認できるだけでなく、万が一トラブルの原因になりそうなことがあった場合に次回のライドまでにメンテナンス対応ができるので、安全に自転車に乗るためのセルフチェックとして欠かせないと。

そしてこれは安全に自転車ライドをするためにとても大切なことなので、ぜひサイクリストの皆さんは実践してほしいとのこと。

またメンテナンスに関しては、

「信頼できるショップに継続してお願いすることで自分の好みや癖も分かってくれるし、パーツを変えたいと思った時にも普段から自分の自転車を見てくれているから適切なアドバイスを貰える」(岸選手)、

「自分でもできてしまう作業もありますが、作業の質によって自転車は性能が大きく変化するので、たとえ自分でいじったとしても、最終的な調整は信頼できるショップに持ち込んでプロのメカニックにお願いするようにしています」(半田選手)という、我々アマチュアサイクリストもぜひ参考にしたい、自転車ショップとの上手な付き合い方をしているようだ。

シュアラスター自転車ケミカルの使い方

そこで洗車は頻繁に自身で行っているというお二人に、実際に使っている今回新発売となったシュアラスターのチェーンクリーナーとチェーンオイル、そして以前から商品展開していてサイクリストのファンも多いゼロフィニッシュの使い方をレクチャーしてもらった。

製品発売前からシュアラスター社と共同開発する形でアドバイスをするなどして関わってきたお二人にはこの製品に対する思い入れも強く、特にチェーンルブに関しては、「当初、サンプル段階で使用したときには、汚れがつきやすくニオイもきつい段階の時があり、それが最終的に改善されて自信を持ってオススメできるオイルに仕上がりました」(半田選手)というお話しも。

「チェーンクリーナーは、ジェットの噴射力が強くてノズルが細いので、チェーンの内側までしっかりクリーナーが届くので、まずは1周ぐるりとチェーンに吹きかけてから付属のブラシを対角線に動かしてチェーンの中の汚れをかき出すようにしてください。そして、さらにもう1周クリーナーを吹きかけてクロスで拭き取ると汚れは落とせます。スプロケットは、ホイールを車体から外した状態で、クリーナーを吹き付けて、チェーン同様に全体をブラシで擦り、その後クリーナーを吹き付けることでこちらもかなりキレイになります。プーリーなどの細かいパーツにも吹き付けることで汚れを飛ばすことができますし、水洗いできない場合はペーパーやクロスで拭き取ってもらえればOKです」(半田選手)

「チェーンルブは、洗車後にチェーンを乾かしてから、一周ぐるりと吹き付けて、余分な油分をクロスで拭き取ってください。また、使い方のアレンジとして、チェーンの汚れが酷くなければ洗車をせずともルブを吹き付けることで高い浸透力がオイルの持続期間を長くしてくれます。他のオイルを使っていた場合にその上から吹き付けても問題ありません。吹き付ける回数を増やしたり、他の粘度が高いオイルと併用することで、サイクリングやレースなど様々なシーンで活用できますし、プロ選手からアマチュアまで幅広いサイクリストが使える万能なオイルです」(岸選手)

「チェーンルブ使用時の注意点としては、ディスクブレーキを使っている方は、ローターにオイルが付かないようにしてください。オイルが付いた状態でブレーキを掛けてしまうと効きが悪くなるだけでなく、パッドの交換が必要になってしまいます。安全に自転車に乗る上でも気をつけていただきたいところです」(半田選手)

「昨年から自身でも好んで使っていますが、ゼロフィニッシュは汚れを落とす効果もあるので、ライドから帰って少しフレームが汚れているけど洗車するほどでもないなと感じたときに吹き付けてクロスで拭くと簡単にキレイになります。また洗車後にゼロフィニッシュを仕上げとして使っておくことで、ちょっとした水はねや汚れがついたときにもクロスで拭くだけで簡単に落とすことができるコーティング効果もあり、そしてフレームのツヤに深みが増すので写真映えもしますよ」(岸選手)

と、アマチュアサイクリストが簡単に洗車に取り組める手順と、どのような効果が期待できるかを語ってもらうことができた。

安全にサイクリングを楽しむために

自転車競技のプロ選手として、ロードレースに興味を持ってもらいシーンを盛り上げていくのが選手の役目でもあるが、アマチュアサイクリストに対して彼らが口を揃えて言うのは、とにかくサイクリングを楽しんでほしいですとのこと。

筆者もサイクリストなので、気分が乗らない日や天気の悪い日に無理して乗る必要は全くないと思うしむしろ危ない。プロではないのだから、モチベーションが上がっていて気持ちが乗りたくてしょうがないってなるくらいのほうが趣味として健全なのは明快だ。

さいたまディレーブはさいたま市に拠点を持っているため、所属選手の多くが近場の荒川をトレーニングコースとして頻繁にライドしているので、もし見かけることがあれば彼らの安全な走り方に是非注目して欲しいし、ロードレースであれだけのスピードで走ることができるのは安全な走り方の基礎やしっかりメンテナンスされた機材があってこそ。

岸選手、半田選手から話しを聞いて感じるのは「安全を担保するためのきっかけ」として洗車はとても重要だということ。自転車は多くの人が簡単に乗れてしまうものなので、スポーツバイクに乗り始めるのとても簡単ですが、機材の安全確保はプロであっても我々アマチュアサイクリストであっても日頃から自身で気にかけてやらなければならない。シュアラスターの自転車ケミカルを使うことで誰もが簡単に自宅で洗車に取り組むことができるし、それがサイクリスト自身の安全への意識を高める第一歩だと強く感じた。

そして今後シュアラスターでは、プロ選手と一緒に安全な走り方や洗車方法を学べるライドイベントも開催する予定なのでご期待ください。

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