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台所用洗剤を洗車に使って大丈夫?カーシャンプーとの成分や特徴等の違いを解説!

カーシャンプーと台所用洗剤の主成分と特徴の違い

車専用も台所用の洗剤も、液体洗剤の主成分は界面活性剤です。界面活性剤は洗浄の役割を果たすもので、頭髪用シャンプーや体洗い用ボディシャンプーなどにも入っていることが多いです。ただし、界面活性剤にはいろいろな種類があり、洗浄効果が強いものから、人肌に影響が少ない低刺激性のものまで数種類があります。

界面活性剤は1つの分子に水になじみやすい部分と油になじみやすい部分を同時にもっており、汚れと水をなじみやすくする「浸透作用」、主に油汚れを浮かせる「乳化作用」、汚れを引き離して分散させる「分散作用」の3つの作用があります。この3つの作用が同時に機能することによって、様々な汚れを落とすことができるのです。

界面活性剤の液性は、pH(ペーハー)という数値で表されます。pHが低いほど酸性、高いほどアルカリ性に傾きます。ペーハーの数値は0~14まであり、pH7付近を「中性」、それ以下を「酸性」、それ以上を「アルカリ性」と呼びます。 酸性が強いほど、石灰化などこびり付いてしまった汚れに対する洗浄力は強くなり、アルカリ性が強いほど油汚れを洗浄するパワーが大きくなります。それに対して中性は、「水」と同様のペーハーなので材質への影響が少なく、ダメージを与えにくい性質があります。ですので、中性のものは長時間経過していない車のボディ汚れ落としに向いていると言えます。

洗車に台所用洗剤を使用しても大丈夫なの?

同じ液体洗剤の台所用洗剤を洗車に使っている、という人もいるかと思います。台所用で代用できるものなら、安上がりだし、1本で済むなら省スペースにもなります。ですが、洗車に台所用洗剤を使うことは、車を大切にするオーナーにはオススメできません。なぜなら、車と食器では汚れの種類が違うからです。

食器の汚れはほとんどが油汚れなので、油汚れをさっと落とす強い洗浄成分が主体となっています。また、短時間で水仕事が終わるように、油汚れを食器から素早く引き離す、泡切れが良い成分が含まれています。

台所用洗剤をそのまま洗車に使うと、油分を落としすぎて、ゴム製パーツなどを傷める危険性があります。例えば、タイヤやドア周りのモール、窓ガラスのシール材など。とくに年数の経った車ではゴムの劣化が進んでいる場合もあるので、台所用洗剤ではさらなるダメージを与えてしまいます。

一方、洗車用シャンプーは車用に専用開発されており、特徴としてはきめ細かいクリーミーな泡が出ること、そしてその泡でボディ表面の汚れを包み込んで流すことで洗浄を行います。台所洗剤のような強い洗浄効果よりも、砂やホコリでボディに傷をつけないよう、また車に多用されているゴムパーツなどにダメージを与えないよう配慮されているのです。

さらに、汚れを落とす目的のみならず、ボディの目に見えないところまで錆を防ぐ防錆剤や、洗車をしながらワックスやコーティング効果が得られるような、車のボディを保護する成分が入っている洗車用シャンプーも少なくありません。このような効果は、台所用洗剤には当然、期待できません。

洗車用洗剤がなく、やむを得ず緊急で台所用洗剤を使って洗車する必要がある場合には十分に水で希釈して使いましょう。台所用洗剤の原液をボディに直接垂らして使うようなことは、絶対に避けてください。また洗浄成分を放置せず、すぐに水で洗い流すことでダメージを減らすことができます。