
目次
ロードバイクのチェーンの洗浄・注油とシャンプー洗車の方法をご紹介します。
チェーンルブは100km~300km潤滑性能が持つものが大半で、油膜切れを起こすと走りにくく錆の原因になるので、油切れになる前に洗車して注油することを心がけましょう。
フレームは、毎回気持ちよく走りたいので乗る度に拭くだけでも簡易的に洗車するようにしましょう。
準備
環境
チェーンの洗浄をする際、タイヤを外しておくと洗いやすく、油汚れやルブがホイールやディスクブレーキにかからないので安心です。また、簡易的なものでもスタンドがあれば作業がしやすくなります。油汚れが床に落ちるとシミになるので、保護マットや段ボール、新聞紙などで養生をしておきましょう。

洗車用品
水を使って洗車をする場合は、バケツや、毛の長さの違うブラシがあると便利です。
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洗車方法
まず、油汚れの多いチェーンやディレーラーなどの駆動系を洗浄し、シャンプーで車体全体を洗い、コーティングで仕上げを行います。最後に注油を行い完成です。
STEP 1:チェーンクリーナーで駆動系を洗浄する
最初に、油で汚れているチェーン・ディレーラー・スプロケットの駆動系をシュアラスターのチェーンクリーナーで洗浄します。
使う商品

チェーン洗浄
『チェーンクリーナー』をチェーンに噴きかけていきます。このとき、クロスを当てると周りに飛び散ることもありません。ボロ布でもペーパーウエスでも構いません。シュアラスターの『チェーンクリーナー』は、噴射力が強くて噴きかけるだけで汚れが落ちていきます。洗浄力が強いので粘度の高いしつこい汚れも落としてくれます。またノズルが細いので、狙った部分に集中してクリーナーが当たるので、無駄なくスピーディーに施工できます。

次に、付属されているブラシでこすり、汚れを浮かします。このときのコツは、毛を強く押し当てず、毛先でチェーンを転がすイメージで擦るとチェーンのリンクの内部までクリーナーがいきわたり隅々まで汚れを落とせます。チェーンの両側も擦って汚れを浮かせましょう。

汚れを浮かしたら、乾かないうちにもう一度チェーンクリーナーを噴きかけて汚れを落とします。

プーリーとチェーンリングの洗浄
リヤディレーラーのプーリーは汚れがたまりやすく、放置しておくと、一度では落ち切らない汚れになってしまいますので、毎回しっかり汚れを落としましょう。ここも直接『チェーンクリーナー』を噴きかけて、付属のブラシをプーリーにあててチェーンを回して汚れを浮かします。汚れが浮いたらまたチェーンと同様に『チェーンクリーナー』をかけて汚れを落とします。

次はチェーンリングです。ここもまずは直接『チェーンクリーナー』を噴きかけて、ブラシで擦って汚れを浮かします。耐油性の毛の長いハケがあればクランクの奥の隙間まで届きやすいので便利です。クランクを回転させながらブラッシングしていくとやりやすいです。汚れが浮いたら『チェーンクリーナー』を噴きかけて汚れを落とします。

フロントディレーラーとリヤディレーラーの洗浄
ディレーラー全体に『チェーンクリーナー』を噴きかけて、ハケで汚れを浮かしますが、複雑に入り組んでいる部分にハケの毛先を当ててクリーナーを隅々まで行きわたらせるのがコツです。
再度、チェーンクリーナーを噴きかけて汚れを落とします。

カセットスプロケットの洗浄
リヤホイールのカセットスプロケットに『チェーンクリーナー』を噴きかけます。裏側も汚れが溜まりやすいのでしっかりかけてください。ポイントは、写真のようにカセットスプロケットが斜め下を向くようにして、上からスプレーするると溶剤が下に垂れて効率が良く、かつハブ内部へクリーナーが入りません。また、リムにしたたることもありません。ディスクブレーキの場合はこのときブレーキローターに溶剤がかかることがありますが、シャンプー洗車で落とすので問題ありません。

STEP 2:洗車
車体全体をシャンプーで洗車します。
「最初に、上から全体的に軽く水をかけます。これによって、砂や細かなほこり、鉄粉などを洗い流します。これをやらずにいきなりスポンジで洗い始めると、そうしたものを巻き込んでフレームなどを傷つける原因となります」。

バケツに『ゼロシャンプー』と水を入れてシャンプー液を作ります。この時、シャンプー液を先に入れてから勢いよく水を入れると勝手に細やかな泡を作れます。

ディスクブレーキの場合はブレーキキャリパーを先にきれいにする
汚れていないきれいな状態のブラシで内部を洗浄してください。ブレーキパッドが油分を吸わないようにすることが大切です。

洗いにくい部分から先に洗浄する
次に、最初に『チェーンクリーナー』で洗浄した駆動系の部分と、バイク下側の“洗いにくい部分”から洗浄します。最初にフレーム部分など大きくて分かりやすい所から取りかかると、泡に埋もれて汚れを見逃しやすくなるからです。まずはブラシを使って手が届きにくい部分から行います。

次にスポンジでチェーンを包んでクランクを回転させながら泡立てて洗います。そしてクランクとチェーンリングもスポンジで洗います。ペダルもこのとき一緒に洗ってしまいます。
こうした油汚れを含む駆動系を洗うスポンジは、フレームを洗うスポンジとは分けるようにしましょう。

フレームを洗う
駆動系が洗い終わったら、フレーム専用のスポンジで洗っていきます。このとき、BBの下側やチェーンステーのあたり、フォークの裏側下側の洗い残しやすい部分から洗ってください。
ハンドルまわりも泡立ててスポンジで洗って大丈夫です。汗などが付着して腐食しやすい部分なので、しっかり泡で汚れを落としておきましょう。サイクルコンピューターとライトなどのブラケットも装着したままで大丈夫ですが、本体は先に取り外しておくようにしましょう。

サドルの裏側はブラシを使うと隅々まで洗えます。

ボトルケージまわりは、スポーツドリンクの糖分が固まってひどい汚れになったり、BBの裏側に垂れてワイヤリードの動きを悪くすることがあるので、このあたりもしっかりと洗いましょう。

全体に水をかけて泡を流す
フレーム全体を洗い終わったら、水をかけて泡をすすぎます。泡が乾いてしまうとシミの原因になってしまうので素早くすすぎましょう。コツは、上から水をかければ、泡が下に流れていくので効率が良くすすげます。

このとき、ヘッドパーツ/BB/リヤディレーラーのプーリーの回転部分など、勢いよく集中的に水をかけてしまうと内部に水が入ってしまうので注意してください。
ホイールのシャンプー洗浄→ディスクブレーキの場合はブレーキローターを先に
ディスクブレーキの場合は先に洗いましょう
続いてホイールのシャンプー洗浄です。ディスクブレーキの場合は、油分の付いていないきれいなスポンジで先にブレーキローターを洗ってしまいます。ここに油分を付けないようにするためです

カセットスプロケットとハブの洗浄
カセットスプロケットは、ハンドブラシを使って、回転させながらゴシゴシ洗うと作業が早いです。
次にカセットスプロケットを洗います。ハンドブラシを使って、回転させながらゴシゴシしていくと作業が早いです。

洗いにくいハブの部分は細長いブラシがあると便利です。

リムをスポンジで洗う
リムをスポンジを使って洗います。タイヤとリムとの隙間に汚れがたまった場合は、ハンドブラシを使って隅々まで汚れを落としましょう。

スポークを洗う
スポークはスポンジで洗います。スポークの交差部分にスポンジを差し込むとちぎれてしまうので注意しましょう。

水をかけてホイールの泡をすすぐ
前後のタイヤを洗い終わったら、上から水をかけて流します。

カセットスプロケットを洗い流すときは、ハブの中に水が入らないよう、ロックリング部分を斜め下に向けるようにして水をかけましょう。

STEP 3:水分の拭き取りと仕上げ
使う商品
水分の拭き取り用に、大判で肉厚なマイクロファイバークロスを使います。チェーンの拭き取りには汚れてもいいぼろ布など用意しておくといいですね。
水分の拭き上げ
マイクロファイバークロスで拭き上げながら、傷や破損などをチェックしましょう。
細かなパーツは水分を吸わせていくイメージで
ブレーキキャリパーなど、細かいパーツについては、クロスを包み込んだり当てて水分を吸わせるイメージで水分を取り除きます。

チェーンは汚れてもいいウエスを使う
チェーンは汚れが残っている場合があるので、ボロ布やペーパーウエスなど、すぐ捨ててもいいようなウエスでチェーンを包んで、クランクを回して拭き取ってください。

ホイールはじっくり気の済むまで拭き上げる
特にリムブレーキの場合は汚れが残りやすいので、よくチェックしながらじっくり拭いてください。

カセットスプロケットは指で勢いよく回して水気を飛ばす カセットスプロケットのロックリング部分には水がたまりやすいので、下に向けてクロスを当て、つまんだりして水分を吸わせる
ブレーキローターは専用のクロスを用意すること
ディスクブレーキの場合は、ブレーキローターを拭くときは別のきれいなクロスを用意してください。油分や汚れが付着すると異音やブレーキの効きが悪くなるので注意しましょう。

コーティング仕上げ
ゼロフィニッシュを使って仕上げを行います。ゼロフィニッシュはクリーナー成分とガラスコーティング成分が入っているので、洗い残しの汚れを落とし、コーティングがかかることで、艶が深まり汚れが付きにくくなります。(マット塗装でもご利用いただけます)
使い方はスプレーして拭くだけ
マイクロファイバークロスに適量をスプレーし、バイク全体を拭いていきます。液剤を伸ばしていくようにしながら拭き上げましょう。
マイクロファイバークロスに適量をスプレー 液剤を伸ばすようにしながら拭き上げる
注油
最後に注油をします。シュアラスター チェーンルブ [セミドライタイプ]を使います。
使う商品

ディスクブレーキの場合の養生をしておく
ディスクブレーキの場合は、ブレーキキャリパーにルブがかかってしまわないように、あらかじめウエスで養生しておくと安心です。

チェーンに注油する
1リンクずつ、クランクを回しながら噴射していく。このとき、チェーンのつなぎ目から注し始めると一周したのが分かりやすい。

1周注油したら、次は別のアール部分からもう1周注油していく

ディレーラーの関節部分に注油する
チェーンの注油が終わったら、少し乾くまで待ちます。その間に、ディレーラーの関節部分に注油します。サビ防止と軽く油膜を作ってあげることが目的なので、微量をスプレーするだけで結構です。
リヤディレーラーのピボット部分への注油 フロントディレーラーのピボット部分への注油
チェーンルブの拭き取り

少し時間が経過してある程度ルブがチェーンに浸透したら、チェーン側面に付着しているルブを汚れてもいいウエスで拭き取ります。ウエスを指で両サイドから当ててクランクを回すと素早く拭き上がります。このとき、リンク内部のルブまで拭き取らないよう注意しましょう。
水を使えない環境での洗車方法
ここまでは水を使った洗車方法についてご紹介しましたが、マンション住まいなどの方は水を使って洗車するのは難しいので、水を使わない洗車方法をご紹介いたします。
STEP1の駆動系をチェーンクリーナーで洗浄した後、ウエスで汚れを拭きとってください。
その後、フレームやホイールなどを全体的にゼロフィニッシュで拭き上げてください。