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バイクのドライブチェーンは、摩耗することでよく言われる“伸びた”状態になり、スロットル操作に対する反応が悪くなって正確な加速や減速ができなくなります。また、チェーンの硬直やサビによる固着でフリクションロス(摺動抵抗)が増えると、燃費悪化にもつながります。

一般的に、チェーンメンテナンスは長くても500km走行ごとまたは雨天走行後は必ず実施するのが望ましいとされています。また、海水や冬期の峠道などに撒かれる凍結防止剤には、サビを発生させる塩化物が含まれているので、そのような物質が付着しやすい場所を走った後は、早めの清掃で落としてから注油しましょう。

準備

環境

チェーンメンテナンスは、安全かつ平坦な場所で、車体を安定させてから実施してください。車両にメインスタンド(センタースタンド)がある場合はそちらを利用。後輪を持ち上げて固定する、いわゆるレーシングスタンドをお持ちの場合は、そちらで固定してください。

どちらもない場合、車両を少しずつ前または後ろに動かす方法もありますが、後輪の下に敷くことで車体を動かすことなく後輪が回せるようになる、ローラー付きのメンテナンスグッズも市販されています。こちらは、スタンドと比べて安価で(¥3,000くらいです)、保管スペースも小さくて済みます。今回はこちらを使用しながら作業します。

準備するアイテム

チェーンメンテナンス

チェーンメンテナンスは基本的に、前後スプロケット間のチェーンに実施し、「作業→後輪を回してまだ作業していない部分を露出→作業……」とチェーンが1周するまで洗浄を繰り返します。最後に注油を行い完成です。

STEP 1:チェーンクリーナーで汚れを除去

チェーンクリーナーによるチェーンの清掃は、汚れの度合いによってレベルを調整するのがオススメ。チェーンの汚れが強い場合、事前にシュアラスター チェーンクリーナー[オートバイ用]の容器を振った後、ノズルを引き起こしてチェーン全周にスプレー。汚れが浮くのをしばらく待ってから、ウエスでクリーナーと汚れを拭き取ります。シュアラスターのチェーンクリーナー[オートバイ用]には、新開発の特殊洗浄成分が配合してあり、この効果により油汚れを分解・除去。さらに、強力なジェット噴霧も汚れを落とす大きな助けとなります。

POINT!

その場で後輪を回転させるときは、至近距離にあるリヤのスプロケットにウエスや手などを巻き込まれないよう、タイヤの回転方向に注意してください。また、エンジンをかけた状態での作業は、思わぬトラブルの原因になる可能性があるので、絶対にやめましょう!

簡単には落ちない頑固な汚れがある場合は、チェーンクリーナーをスプレーした後に、付属のブラシで擦ってからウエスで拭き取ります。

なお、シュアラスターのチェーンクリーナーは、ノズルを折りたたんだ状態でも噴霧可能。チェーンの汚れが軽微であれば、ノズルを立てない状態でウエスにクリーナーをスプレーし、ウエスでチェーンを一周拭き上げる方法もおすすめです。

POINT!

チェーンクリーナー[オートバイ用]での清掃後には、必ず注油が必要ですが、チェーンクリーナーが付着した状態でチェーンルブを注油すると走行中に飛散しやすくなってしまうので、工程の最後にはきれいなウエスでチェーン全周のクリーナーをしっかり拭き取りましょう!

STEP 2:チェーンルブで注油を行う

チェーンクリーナーでの清掃後には、チェーンルブで潤滑性と保護性を復活させます。

タイヤを回転させながら(または車体を移動させながら)注油していきます。こちらも、作業時にルブが地面に垂れて油汚れをつくることがないよう、新聞紙等で養生しましょう。

POINT!

タイヤを回転させながら作業する場合は、リヤのスプロケットに巻き込まれないよう、回転方向に十分注意してください。

チェーンルブは、チェーンのジョイント部分に注油。「外プレートと内プレートの間」と「内プレートとローラーの間」をノズルで狙って、左右それぞれ潤滑していきます。このうち「外プレートと内プレートの間」には、シールチェーンの場合はシーリングがあるためルブは奥まで浸透しませんが、シーリングの表面をルブで保護することで劣化を抑止します。「内プレートとローラーの間」は、ローラーの内側にあるブッシュとの間にルブを浸透させることで、摩耗や騒音を抑制する効果が期待できます。

チェーン全体に噴霧が終わったら、余分なルブをウエスで拭き取ります。拭き取り時には、ルブを少量拭きかけたウエスを使い(あるいは拭き取ったルブがウエスに浸透した部分を使い)、ピンの両端やプレートの外側表面に油膜を張るように拭いてあげると、チェーン全体に膜を張ることが出来るのでおすすめです。施工後は、5~10分程度乾燥させます。

POINT!

チェーンルブはオイルと同じなので、タイヤに付着すると転倒の要因につながることがあります。作業時は、タイヤに付着することがないよう注意しましょう。

チェーンメンテナンス方法 動画

※撮影協力:Team KAGAYAMA|メカニック野口氏

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