
HIGHLAND GATHERING 2019
八ヶ岳で行われたイベントに行ってきました!
みなさん、こんにちは。ついに梅雨入りし、愛車たちも磨きがいのある季節になりましたね(笑)。大雨から霧雨まで、愛車は綺麗に水を弾いていますでしょうか。そんな梅雨時期ですが、ワタクシ、ジェイ奧村、八ヶ岳で行われた“ハイランドギャザリング 2019”という2輪車と4輪車のイベントへエントリー。
今回で7回目を迎える展示イベントなのですが、八ヶ岳自然公園内にある芝生エリアでの、ゆったりとした車両展示は、なんともいえない気持ち良さがあり、昨年の初参加から、お気に入りのイベントとなったのです。そして、待ち遠しかった1年が経過、2度目の参加となりました。
ちなみに、このイベントは旧い2輪車、そして4輪車というだけでなく、普段は見ることのできない、希少車や小排気量レーサーが多いのも特徴であり、参加車両の国籍も様々なところも魅力です。 昨年のワタクシは1967年製のイギリス車、AUSTIN J4というバンをベースに、DORMOBILEというキャンピングカーメーカーが作ったキャンピングカーでエントリー。
1968年に日本のオースチン代理店であるキャピタル企業が輸入販売し、当時のカーグラフィック誌にも紹介されていますが、日本ではじめてキャンピングカー登録がされた車両です。 40年以上所有していた前オーナーから数年前に譲り受け、現在は我が家の一員となっております。
昨年は自動車でエントリー
この写真にあるように、ロケーション抜群の八ヶ岳自然公園、愛車の横でのピクニック。リピートしたくなるのが分かっていただけるのではないでしょうか。 せっかくなので、昨年の様子を少しご覧いただきましょう。
今回は2輪車でエントリー
今回、ワタクシは2輪車を持ち込むことにしました。1959年製、BSA BANTAM D1という英国車です。ずっとお付き合いのある英国車専門店のレジの横に展示されていたバイクでしたので、売り物とは思っていなかったのですが、尋ねてみたところ、乗ってくれるのでしたら、お譲りしますよとのことで、お買い上げさせていただいたのです。自分でも扱える小排気量ということと、トレードマークの“チャボ”(鶏の一種)が、可愛くて可愛くて、それが一番の購入理由です。ちなみみ、このバイクは125ccの2ストロークエンジン、実はドイツDKWのRT125と瓜二つなのです。第二次世界大戦での戦勝国への補償ということで、BSAが、これをコピーし販売していたものです。製造期間には最大175ccまで排気量が拡大され、1948年から1971年まで販売されるロングセラーモデルとなったのです。
エントリーしたのは1959年製BSA BANTAM D1 今回、AUSTIN j4はトランポとして使用します
<そして八ヶ岳に到着したのですが…>
前日よりワタクシたち夫婦は出発、御代田の友人宅に停めてもらい、早朝より八ヶ岳を目指します。天気予報は、時間とともに、降り止むとはなっていますが、夜中より降り続いている雨が弱まる気配はありません。 超晴れ男を自認しているワタクシですが、まあ、そんな日もありますね。
参加車のシトロエン・トラクシオンアヴァンとAUSTINを並べます 会場内でのデモ走行のために、BSAのロゴ入りヘルメットも、せっかく準備したのですが…
会場に到着し、受付を済ませます。そう、実は女性エントラントはエントリーフィーが半額となるので、セコく妻名義でエントリー。あ、それは半分本当で半分は冗談です(笑)。妻はTZRとSDRの新車当時に乗っており、実はワタクシよりも2輪経験は長いのです。
受付を済ませTシャツと協賛品のシュアラスター「ゼロフィニッシュ」を受け取ります。
そして、このバンタム、イギリス人女性ペギー・アイリス・トーマスが、1951年にリヴァプールを出発し、カナダ、アメリカ、メキシコの14000マイル(約22万5000km)を愛犬エアデールテリアのマテロットと旅したバイクなのです。それを妻と我が家の犬が気取るというのも理由のひとつです。実際には道交法もありますし、うしろに乗せて一般道は走らせませんが、こうした素敵な経験をした先人を気取った遊びも、この趣味の楽しみでもあるのです。
ペギーの著書 サブタイトルにある“A DOG IS A GIRL’S BEST FRIEND”というのがいいですね! 1950年代、たったの125ccでのアメリカ縦断の旅。愛犬と一緒なら想像もつかない困難も克服できたのでしょうね
今年のハイランドギャザリングは雨の為、室内での展示となりました
降り止みそうにない雨の為に、例年の芝生エリアでの展示ではなく、今年は自然園にある展示室での展示となり、受付時に、室内会場へとバイクを搬入するように指示されます。悪天時も室内スペースが確保されているので、ゆっくりと展示車両を楽しむことができますね。エントリー順に、オーナーが愛車の解説を行います。
それでは珠玉の名車たちをご覧ください
宇根さんは、この趣味のお師匠さんの愛車エーブスター A-1という1950年製のモーターサイクルを、披露しようと師匠からお借りして今回披露となりました。エーブスターは、かつて目黒区にあったモーターサイクルメーカー。代表の阿部理八さんの名前から“ABE”を“エーブ”と英語読みとしたモーターサイクル。機関は4ストロークサイドバルブ単機筒エンジン142ccというA-1、宇根さんもこの個体以外は見たことがないという希少車だそうです。こうした現存数の少ない超希少車が見られるのも、このイベントの特徴ですね。
1950年製ABESTAR A-1
そして、戦前の2輪車、4輪車を楽しむ加藤さんは、1914年のトライアンフ・ジュニアを持ち込みました。家業が自転車屋さんだったという加藤さんですが、幼い頃に、父親が所有していたという思い出のモーターサイクルだそうです。岡崎市で串本屋という焼き鳥屋さんを営む加藤さん、隣接しているガレージは時間が止まったかのような空間です。ワタクシも何度かお邪魔させていただいていますが、興味のある方はウエルカムだそう。お店が忙しくない時間帯なら、快くよく見学させてもらえますので、ご興味ある方は施設博物館ともいえるコレクションを見せてもらってはいかがでしょうか。
1914年製TRIUMPH JUNIOR ドライブベルトはなんとレザーです
愛車説明会は続きます。川口市にあるバットモーターサイクルの片山さんは、1953年から1957年まで開催された公道レースのリバイバルイベント “MOTOGIRO D’ITALIA”に2008年、2009年のコンペティションクラスに参加したモトビ125を展示。イタリアのFMI公認競技で、自動車でいうと、ミッレミリアのようなリバイバルレース、約1500kmを5日かけて走破します。当時、モトビの成績はイマイチだったそうですが、出場資格のある好きなマシンでの参加は一生の想い出ですね。
公道レースなので、コマ図を見ながらのスピード競技、大変そうですね
そして、こちらはこの日、妻の一番のお気に入り、丸山さんの持ち込んだラベルダ100コルサ。高圧縮でクロスミッション、そして、ベンチレーター付きのフロントブレーキに、コンペティションマシンの凄みを感じます。
LAVERDA 100 CORSA
そして、こちらは同じくラベルダF3は治田さんの愛車。当時、イタリアの都市間でのレース、ジロデイタリアや、ミラノータラントなどで優勝した100ccのファクトリーレーサー。こうした希少なモデル2台を間近で見比べられるのも、このイベントならではの魅力です。
LAVERDA 100 F3
1993年から、DUCATI 250cc単気筒レーサーでタイムトンネルというヴィンテージバイクのレースに出場していたという川村さん。英国のオークションに出ていた縁あって手に入れ、1996年からは、最高の宝物となったMOTOGUZZI P250で出場。同時に街乗りもできるようナンバーを取得し楽しんでいるそうです。
1937年 MOTOGUZZI P250 軽量化と冷却効果を狙った軽め穴から凄みを感じるブレーキドラム INDIAN BELT SINGLE 500CC DUCATI MACH1 250cc 1973年 スズキ バーディ 1935年 BMW R12+スタイプ
恒例のじゃんけん大会も大盛り上がり
ハイランドギャザリング主催の佐藤さんより、景品が紹介されてじゃんけんによる争奪戦がはじまります。参加者、見学者交えて盛り上がります。
楽しい時間も、そろそろおひらきです。
この日の司会進行の山本さんは、自宅ガレージでせっせとレストアなどを楽しむだけでなく、本業では、先日発売されたばかりのCB250Rの開発責任者という生粋のエンジニア。彼の若き仲間たちもイベントをサポート、ベテランたちから若い世代まで、同じ趣味を楽しむ同士でイベントを作りあげています。いいですね!
また来年の再会が楽しみです。
楽しい時間もお開き、結局降り止まなかった雨のなか、みなさん帰路につきます。 ワタクシたちも、J4へバンタムを積み込み、帰ろうとしていたら「天気予報外れましたね〜、ずっと雨でしたよ、間に合ってよかった!」と登場したのは、昨年、J4と隣り合わせた浅野さんでした。昨年は屋根の形状から“TONGARI TRUCK”と名付けたキャンパーに改造したキャブライトを展示し、欧米では人気となっている“バンライフ”スタイルをアピール。そのナチュラルな雰囲気の良さは抜群の存在感でした。久々の再会に近況を聞いてみると、新しい“TONGARI TRUCK”を製作中、量産化も目指しているということで、楽しみですね。
これから横浜まで自走で戻られる2台のBMW
イベントを楽しんだあとは、磨きあげてあげましょう
週末のイベントのため、約430kmをトランポしてくれたJ4と、搬出時に雨に濡れてしまったバンタムを倉庫へと戻す前に、磨いてあげることにしました。 エントラント全員に協賛していただいた“ゼロフィニッシュ”で、まずはバンタムから磨きます。シュッと一吹きして、マイクロファイバークロスで拭きあげるだけで、このツヤ感!写真でもしっかりと、その効果が確認できます。短時間で仕上げられる魅力は大きいですね、これは便利です。
シュッとひと吹きして拭きあげるだけ before after
J4は、いつも通りにマスターワークスでワックス掛け。安定の使いやすさと滑らかな仕上がりはもうお馴染みですね。
今回のハイランドギャザリング、50年以上前のJ4をトランスポーターとして自走しての参加ということで、イベントトレードマークの特製刺繍をいただきました。雨のなか、遠方からの自走された方もいるなか、屋根付きなので恐縮でしたが、とても嬉しい賞典をいただきました。どうもありがとうございます。来年は天気に恵まれますように!

本業はフリーランスとして活動中のスチールカメラマン。愛車は1931年Austin Sevenから、1964年のFord Angliaなど、旧いクルマばかりを10台あまり所有し、日常生活はもちろんのこと、遠方への仕事にも使用。趣味のヒストリックカーレースでは、戦前車からスポーツカー、ツーリングカー、葉巻型フォーミュラーカーまで乗りこなす。そうした経験から自動車専門誌や、雑誌での特集記事などの執筆も行い、半年に一度、雑誌「The Vintage Wheels」の編集長として、旧い2輪車、4輪車の魅力を発信中である。
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