Go!Go!ラリー in 東北 Classic car meeting 2019

Go!Go! ラリー in 東北 1日目

俳優の唐沢寿明さんが発起人となって行われた「GO!GO!ラリーin東北」

2011年に起こった未曾有の大震災で、最も被害が大きかった東北地方の復興支援を目的としたチャリーティーイベントです。

3年前、石巻の人と唐沢さんが会った時に、震災から時間が経過し、訪れる人も少なくなってきたという話を聞き、自身の趣味であるクラシックカーでのラリーを東北で開催し、年に一度でも、集まることができたらという思いで、このイベントを思いついたと言います。

イベントの運営は、日本でも最も長いヒストリックカーラリーのひとつである“コッパディ小海”などを手がけるガレリア・アミカ代表の岡田邦雄さんです。長くお付き合いをさせてもらっている岡田さんのお誘いを受けまして、ワタクシ、ジェイ奥村も撮影係としてイベントに参加してきました。

震災後、ワタクシは、2011年4月中旬に、友人とトラックで物資を届けに行ったことがあるのですが、津波被害から一月経過していても、いぜん消息不明の人たちもたくさんおります。自衛隊員は川にウェーディングし、竿で捜索をしているような状況でした。 我々がトラックで向かったのは石巻市。友人が住む世田谷区経堂の商店街では“鯖の缶詰”いわゆるサバ缶による、町おこしをしており、イベント酒場“さばのゆ”では、震災の起こる1年前からサバ缶を使った料理が提供されていました。そうした関係もあり、さばのゆには、現地で不足している自転車など、たくさんの物資が集まってきました。しかし、それを運搬する人は友人のイシカワくんのみ。2人で交互に運転すれば疲労も軽減できますので、ワタクシも同行したのです。

それからも“さばのゆ”を中心に支援は続きます。津波に襲われた倉庫から流出したラベルを失った缶詰を買い取り、泥や油にまみれた缶詰を洗い販売。“経堂まことや”では、この缶詰を使ったサバラーメンの売り上げすべてを寄付するなど、復興資金へとしたのです。経堂で洗った缶詰は22万缶にもなったそうです。

経堂で洗浄したサバ缶、僕も購入してキャンプの時に、仲間と美味しくいただきました

唐沢寿明さんと話した石巻出身の人の言葉にあるように、ボランティアなどで訪れていた人たちも、最近は少なくなってきています。

まだまだ続く避難生活、自然災害の恐ろしさを風化させないためにと、唐沢さんは、東北でラリーを開催し、復興に尽力する人々と触れ合うイベントを開催したのです。 そして、見事な秋晴れとなった当日。2日間のラリーのスタート地点となる“宮城県せんだい青葉山交流広場駐車場”には、なんと、その数120台のクラシックカーが全国から集まってきました。

発起人である唐沢寿明さんとナビゲーターの奥様、山口智子さんは愛車ポルシェ356スピードスターで登場、集まったエントラントや観覧者の写真撮影に笑顔で応えています。

唐沢寿明さんの呼びかけに賛同したタレントの橋本マナミさんは、元バトミントン選手の小椋久美子さんと、イベントに協賛している地元自動車販売店KCC JAPANのマセラティ・スパイダー・ザガートで参加。チェックポイントに集まるひとたちとの交流を楽しんでいたようです。

大会総責任者の岡田邦夫さんによる開会宣言、今回の復興ラリーの発起人、唐沢寿明さんの挨拶で2日間のラリーがはじまります。せんだい青葉山公園交流広場をゼッケン順にスタート。まずは、一つ目のPC区間をタイム計測しゲートを通過します。

スタートしたラリー参加の一行は、コマ図の指示に従い広瀬川にかかる大橋を渡り高速道路を経由して、松島町町営駐車場へ。順次、PC競技のあと、次なるチェックポイントを目指します。

そして石ノ森萬画館のチェックポイントでは唐沢寿明さんによる石巻市へ記念品の贈呈式がありました。

次なるチェックポイント、女川町まちなか交流館での記念品贈答式および、エントラントは昼食タイムですワタクシは、エントラント車両の撮影のため、見ることはできなかったのですが、この会場での特設会場では、唐沢さんの呼びかけに賛同した速水もこみちさん、入江甚儀さん、山崎育三郎さん、横山だいすけさん、JPさんも駆けつけ、トークショーやミニライブ、料理を振る舞うなど会場を盛り上げたそうです。

絶景のドライブルート100にも選ばれているコバルトラインを使い100年以上の捕鯨の歴史のある鮎川へ向かう途中にある三陸復興国立公園駐車場でのPC競技を行います。

震災後、7年目にようやく復興工事が本格化、そして商業捕鯨が再開し、かつてと同様のにぎわいが期待される鮎川港。

“おしかホエールランド”のスタンプポイントでは、クジラ肉の竜田揚げが振舞われ、その美味しさをエントラントにアピール。

ラリー1日目の最後となる立ち寄り地は、児童、教職員多くの犠牲者を出した大川小学校。ご自身も娘さんを津波で亡くしたという“大川伝承の会”(https://www.facebook.com/ookawadensyo/)の語り部ガイドさんによる地震発生から津波襲来までの50分間の無念を伝えてくれます。8年前に、ここで起きたことを再認識し、エントラントたちは黙祷を捧げます。

ゴールになったのは、エントラントの宿泊地でもある秋保温泉“伝承千年の宿 佐勘”。イベントをサポートする代表者からの挨拶にはじまった大広間での食事会では、経堂の商店街と関係のあった木の屋石巻水産の木村副社長も登壇。 また、この日の各PCでの競技結果が発表され、セクションごとの受賞式も行われ大賑わいの懇親会となりました。

Go!Go! ラリー in 東北 2日目

予報になかった深夜から明け方の大雨に心配しましたが、スタートの頃にはすっかりと青空が戻ったラリー2日目。

エントラントはホテル駐車場で、競技に向けて準備に余念がありません。昨晩深夜、ホテルに到着したという俳優の谷原章介さんは、ワンデイですが、復興ラリーを愛車BMW2002で楽しみます。

宿泊地でもある秋保温泉“伝承千年の宿 佐勘”から各車スタート。すぐにあるPC競技を終えて、みやぎ蔵王えぼしリゾートへ向かいます。 残念ながら、ワタクシはスタートとゴールが、この日の撮影担当なので、スタートを見届けてからゴールへ向かいました。 蔵王町役場でのスタンプポイントでの様子はたくさんの人がツイッターやYouTubeでアップしているので、そちらもご覧ください。

ゴールはスタートと同じく“宮城県せんだい青葉山交流広場駐車場”です。2日間、この公園駐車場では、地元のカークラブの協力もあり、車両展示も行われておりました。

そこで、またまたビックリな出来事がありました。2011年、イシカワくんと石巻を訪れた帰り道、壁が壊れるなどの被害があった彼の友達のKさんの仙台市の家に立ち寄ったのですが、その時、Kさんは不在。奥さまに対応していただいたのですが、2年前に、ワタクシは福島県でのキャンプ取材で、Kさん夫妻と偶然会っていたのです。そして、この日、Kさんは愛犬ハルくんとともに、愛車ワゴニアを展示、嬉しい再会がありました。

そして撮影に戻ります。ワタクシは、ゴール前の車両を撮影するため、沿道で参加車両を待ち構えます。すると、唐沢さんは、もうゴールしましたか?とひとりの男性に話しかけられました。津波被害で家族を失ったという石巻出身という男性。昨日のニュースでこのラリーのことを知り、唐沢さんに一言お礼が言いたいと会場に足を運んでくれたのです。今なお、お父様は見つからないという状況にあるという、この男性の気持ちに胸がいっぱいになりました。

いよいよ、2日間のラリーもゴールです。フィニッシュゲートをくぐる各車両たち。集まった観客、2日間を共にしたエントラントたちに迎えられます。

表彰式では、ラリー2日目の各PCでの区間賞のほか、特別賞などを発表。今回は遠くイギリスからも世界的なフェラーリコレクターであるBrandon Wangさんは、香港のクルマ仲間たちと復興ラリーに参加。当地の名産である、こけし、ダルマを遠来賞として受け取りました。そして、いよいよ2日間の競技の結果発表です、優勝ペアより表彰されます。

「今回は宮城県中心だったけど、来年以降は東北6県も関わってくるといいよね」という宮城県気仙沼出身のエントラントや、「復興の現実が身体全体から感じ取れた」「訪れるのが遅すぎと自分たちを責めましたが、これだけ月日が経っても復興がまだまだなのを目の当たりにしていろいろ考えることができて良かった」「同級生を津波で失って以来の女川でした、この復興支援ラリーを定着させてください」「すでに来年の参加を決めています」など、参加したエントラント、スタッフ、そしてワタクシ、それぞれのたくさんの想いと再認識が詰まった2日間となりました。

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