
DRIVING PARTY
目次
旧いクルマで遊ぶにはベストシーズン!
みなさん、こんにちは、愛車との日々を楽しんでいますか? 朝晩は寒いくらいになってきましたが、ワタクシの好きな旧いクルマたちにとっては、水温の上昇も心配のない気候。
クルマで遊ぶにはベストシーズンに突入しました。そんな週末に行われたヒストリックカー仲間のガレージ訪問をご覧ください。
ヒストリックカーのラリーイベントや、サーキット走行などを、一緒に楽しんでいるKさんに、「今度うちのガレージでBBQでもやりませんか?」と誘っていただいたのが、今回の事始めでした。
それから、ガレージの主であるKさんも、普段忙しくて全部のクルマたちに乗ってあげる時間も少ないから、みんなに乗ってもらって、どんな印象もったかインプレッションを聞かせてもらいたいなと、話は盛り上がったのです。
悪天候に泣いた今年の週末でしたが、旧いクルマにもストレスのかからない週末に“DRIVING & BBQ PARTY”の開催となりました。
夢のようなクルマの数々
当日は、近所のクルマ友達、紀伊くんのルノー・メガーヌの助手席にワタクシ、後部座席に愛犬エリザベスを乗せて東北道で約200km。湖畔ちかくの高原にあるKさんのガレージへとやってきました。
今回で2度目の訪問となるKさんのガレージですが、ちょっとしたヒストリックカーミュージアムです。この日は整備中ということで、1930年代のクルマは不在でしたが、1950年代から1960年代のスポーツカーたちが鎮座しております。そして、なにより素晴らしいのは、どの個体もしっかりと整備されており、セル一発で動き出せる状態にあります。

ガレージのシャッターを開けると、まずは、ポルシェ911とトライアンフTR2がお出迎えです。
そして、優雅なモレッティと並んでいるお隣は、どう見てもデザイン的にはイタリアンカーですが、中身はイギリスのMG-TDをベースにしたカロッツエリアモデル、Motto MG Specialという3台しか製造されなかったというレーシングカーです。英国スポーツカーメーカーの雄、MGの素性の良さに美しいイタリアンデザインを纏っております。実際にアメリカのレースで活躍していた個体だそうです。
そして、さらにガレージの奥を覗きますと、2台のアバルトとオースティン・ヒーリー・スプライトが並んでいます。
まず中央にあるのは1971年製フィアット・アバルト 595。フィアット500をベースにアバルトのチューニングにより32馬力を発生。15年に渡りモータースポーツシーンで活躍しました。もちろん、現在のヒストリックカーでのモータースポーツシーンでも人気の高い1台です。
そして右手に鎮座する1958年製フィアット・アバルト 750 レコルトモンツァ・ザガートは、DOHCユニットを搭載。当時より様々なスピードトライアルで、世界新記録を樹立し、レースでも750cc、850cc、1000ccのGTカテゴリーを席巻。小排気量クラスの覇者として、世界中で大活躍し、マニアにはたまらないモデルなのです。
そして、カウルをあげている状態の緑色のスプライトはアシュレイ社のフロントカウルなどレーシングモデファイがされております。実際に英国でエンスージャストの親子が2代に渡りヒストリックカーレースで使っていたという個体を縁あって手に入れたKさんが、その意思を受け継ぎ、先日、日本国内でのサーキットデビューを果たしたそうです。その印象は、素直な操縦性でとても楽しいそうです。これからもヒストリックカーレースに参戦するつもりだそうですので、どこかのサーキットで実際に見れるかもしれませんね。
ドロップヘッドクーペのジャガーEタイプ(1962年製)はKさんが、幼少の頃から、かっこいいな!と憧れ、約20年前にはじめて購入したヒストリックカーという思い出の1台だそうです。並んでいるアルファロメオ・ジュリエッタ(1957年製)と共に、主にラリーイベントを楽しんでいるそうです。
そしてぐるりと、今度は右手のほうに目を向けますと、4ドアサルーンが鎮座しております。フォードの大衆車コルチナのようですが、なにやら少し雰囲気が違いますね。これは、またのちほど、、、
さらに奥には、宝石のような2台が並んでいます。フェラーリ246DINO、そして、フィアット・アバルト 750 ゴッチア ヴィニャーレです。
そして、このあとのインプレッションに向けて、ディーノとゴッチアの2台のエンジンを暖めます。このガレージに備わる排気システム”EZ Way Out”(http://www.safety-l.com/egwayout/)のおかげで、室内での暖機運転でも、嫌な排気ガスを屋外へと排出してくれます。
この排気システムは、モレッティの後部ほか、ガレージ内4カ所に設置されており、メンテナンス時や暖機運転に大いに役に立っているそうです。そして、背景にあるポスターは各国でのコンクールデレガンスやラリーなどイベントのオフィシャルポスター。これらの彩りがガレージをさらに深い趣味の世界観を演出してくれます。いや〜羨ましくも、素晴らしいガレージです。
ガレージから、出てきたゴッチアです。どちらが前だかわからない不思議なデザインのゴッチアはイタリア語で“水滴”を意味するそうです。なるほど、たしかに、そういったイメージですね。フィアット600のシャシーをベースに750ccにスープアップしたエンジンを搭載し、このクラスでの最高速を目指しヴィニャーレが製作した空力処理のされた軽量のクーペボディが、とても斬新ですね。とても印象に残るデザインです。
1957年のミッレミリアにも出場したそうです。
書籍ほかヒストリーが分かる書類も充実。
試乗!
そして、いよいよ大試乗会が始まります。みんな少年のように目を輝かせて子供返り(笑)。まずはレコルトモンツァに紀伊くん、ゴッチアには遊佐さんが乗り込みます。
こちらはフェラーリ ディーノを楽しむ紀伊くん。小粒でピリッした走りのアバルトたちと比較すると、しっとりとしたGTカーですね。素晴らしいコンディションです。
そして、ワタクシもレコルトモンツァのステアリングを握らせてもらいます。か細いアイドリングからひとたび、スロットを空ければ4,000回転を越えたころからのパワー感、小排気量ながらもハイパフォーマンスなエンジンに軽量ボディ、軽快なハンドリングは最高に心地よいですね。
戻ってきたレコルトモンツァのエンジンルームを覗き込む子供オヤジたち(笑)。
そして、ワタクシ、ジェイ奥村が、この素晴らしいコレクションのなかでも、特に気になったのは、こちらです。珍しいクルマなので、ちょっと細部までご覧ください。
外観は4ドアのコルチナに鮮やかなブルーのラインが入ります、1964年製デトマソ・コルチナ。
英国フォードが1962年に発売した小型車、コーティナ。翌年にはバリエーションモデルとして、ロータス製ツインカムエンジンを搭載したロータス・コーティナが登場、約2,800台が生産され、モータースポーツでも大活躍。現在、ヒストリックカーシーンでも人気が高いモデルとなっていますが、このコルチナは、わずか20台のみが生産されたというデトマソ版です。
もちろん、ワタクシもこの個体以外は見たことありません。パワートレインは、デトマソ社のスポーツカーであるヴァレルンガと同様に1,498ccのOHVのケントエンジンをチューニングした102馬力のエンジンだということです。ベースとなるフォード版のコーティナは75.5馬力なので、25馬力もパワーアップしているんですね。とはいえ、アインドリングも安定していて、パワフルながら、とても乗りやすく、とても良い印象です。
フロントグリルにはデトマソのエンブレムが輝きます。
インパネはフォード版GTと同じほぼですね。
DETOMASOの文字が誇らしげにロッカーカバーに入ったエンジン、2基のウエーバーDCOEを備えます。
そして一通りのドライブを楽しんだあとは、豪華なご飯です。今回参加メンバーの遊佐さんは、スーパーフォーミュラーの表彰式で使われるのもスパークリング日本酒を製造する蔵元“人気酒造”(http://www.ninki.co.jp/)の代表です。この日は“あわ酒スパークリング純米大吟醸”を差し入れてくれました。
そして、Kさんの奥様特性のラザニアもとても美味!!そして、メンバーの飯沼さんも、この日のために自宅から手作りのローストビーフを持参してくれました。
あ、みなさんご安心してください。飲酒しての運転はありませんよ。このガレージ近隣にはホテルが点在しており、今日集まったメンバーは、このあとは歩いて宿泊先へと向かいまっております。
そして、ワタクシと紀伊くんは、Kさんのガレージにあるゲストスームに宿泊させていただくので居残ります。
そして、柔らかなライトに包まれたKさんの愛車たちを眺めながらのガレージのクルマ談義に花を咲かせて、秋の夜長は更けていったのです。同好の仲間たちと、とても素敵な週末を楽しめました。 次回は、暖かくなった春先の開催を予定している“DRIVING & BBQ PARTY”今から楽しみです。

本業はフリーランスとして活動中のスチールカメラマン。愛車は1931年Austin Sevenから、1964年のFord Angliaなど、旧いクルマばかりを10台あまり所有し、日常生活はもちろんのこと、遠方への仕事にも使用。趣味のヒストリックカーレースでは、戦前車からスポーツカー、ツーリングカー、葉巻型フォーミュラーカーまで乗りこなす。そうした経験から自動車専門誌や、雑誌での特集記事などの執筆も行い、半年に一度、雑誌「The Vintage Wheels」の編集長として、旧い2輪車、4輪車の魅力を発信中である。
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