
British Classic Marathon 2019-ブリティッシュクラシックマラソン‐
1964年製の愛車でヒストリックカーラリーに参加!

すっかり暖かくなり、我々が大好きなクルマやモーターサイクルのイベントも本格的にシーズンイン。ミーティングや展示イベント、サーキット走行などの様々な楽しみが、全国各地で毎週末行われています。
ヒストリックカーでのラリーイベントも、29年目を迎える老舗イベント“コッパディ小海”。金曜日から3泊4日で行われた“ラフフェスタ・プリマベーラ”なども開催された週末でしたね。
そんななか、ワタクシ、ジェイ奥村は、同様のラリーイベントである “British Classic Marathon 2019”に参加してきました。今回で26回目を数えるこの英国車の祭典ですが、自身の愛車や友人のコドライバーで過去15回の参加をしているほど、毎年、楽しみにしているイベントのひとつであります。
ところで、この“ヒストリックカーラリー”とは何ぞや?という方も少なくないと思いますので、簡単に説明いたします。
まず参加資格のある車両についてです。それぞれのイベントにより違いはあるのですが、1969年くらいまでに製造されたクルマということが一般的なようです。それに加えて、同型車であれば高年式でも認めているケースが多いようですね。ちなみに、今回の “British Classic Marathon ”では1974年までの生産車、1979年までの同型車が参加可能となっています。

そして英国車のみの参加にこだわっているイベントというのはタイトルの通りですが、ワタクシの愛車フォード・アングリアは、フォードとはいえ、アメリカではなく当時あった英国フォード(1967年にドイツフォードと統合し、現在はヨーロッパ・フォード)で作られたクルマ、戦後型の2代目アングリアなのでエントリー資格があるのです。
気になるルールですが、1日の走行ルートが記入されている、コマ図と呼ばれるルートマップがスタート時に渡されます。その指示にあるコースの走行中、設定されている指示速度でより正確に走らせ、その誤差を競うという競技です。
チェックポイントへの早い到着・遅れての到着ともに減点の対象となるため、運転するドライバーとコマ図の指示を見つつ、チェックポイントへの到着時間を計算するコドライバーの2人1組で参加するのが一般的です。なかにはこの分担作業をドライバーひとりで行い、上位入賞するツワモノもいるのは驚きます。

イベント出場までの準備
前述したように毎年、心待ちにしているイベントであること、そしてラリーのスタートとなるのは、自宅からはちょうど片道300kmの愛知県岡崎市。道中なにか不具合が出ないように、しっかりと事前点検を行います。
ちなみにこのアングリアですが、半年前にエンジン内部のチェーンテンショナーが破損してしまい、エンジンを下ろしての分解作業・損傷は無かったもの、修理作業を終えたばかりです。半年ぶりの路上復帰が、今回の長距離のイベントです…。何事もないことを願いたいですね。
今年で、生産されてから55年という我が愛車アングリア。ボディにはちらほらと痛みも目立ち始めていますが、綺麗に磨きあげてイベントへと備えることしましょう。

同じく英国フォードのコルチナというアングリアの後継車に乗る友人岡野くんが、作業を手伝ってくれます。シュアラスター「マスターワークス」のカーワックスでボディを仕上げていると、レース仲間の野坂さんも、ふらりと立ち寄ったが最後?そのまま、お手伝い要員となりました(笑)。


いつもはシュアラスター・インパクトを使っているという岡野くんも、マスターワークスの使い心地の良さ、仕上がりにびっくりした様子です。


また、イベント中の雨は嫌ですが、もしもの雨に備えて「ゼロウィンドウ リセットアンドコート」を ウィンドウに 施します。


いよいよ当日を迎える!

MG-Bやロータス・エラン、そしてコルチナなどのエントリー車両たち
今年で26回目の開催となる「ブリティッシュ・クラシック・マラソン」スタート地点となる岡崎市竜美丘ガーデンプレイスには、全国各地より2日間の長距離マラソンに挑む英国ヒストリックカーが全国各地から大集合。 色とりどりの、さまざまな年式、タイプが集まっています。1年に1度、ここでしか会わないエントラントもおりますが2日間を共有する仲間同士です。隣り合わせれば、近況報告やお互いのクルマのことなど、会話は弾みますね。ゼッケンは年式順となっており、ドライバーズミーティングのあと、旧いクルマから順次スタートです。8:00に1号車がスタートし、1分おきに順次スタートします。今回一番旧い参加車両は1935年製のラゴンダ・レイピア。ワタクシのアングリアは1964年製で28号車、ちょうど真ん中くらいのスタートです。8:27にユニオンジャックが振り上げられ2日間のマラソンのスタートです。


1958 Austin A35




ワタクシのアングリアにはオドメーターはあるもの、トリップメーターがありません。細い指示に対応できるように別体のトリップメーターを装着しております。ラリー競技用に、このような計測器があるんですよね。




岡崎市をスタートした英国車たちは、渋滞を避ける為、高速道路にて豊田市郊外まで移動し一般道へ。国道301号線から153号線などを経由して、心地よいワインディングロードを楽しみます。そして、治部坂高原にある1つ目のチェックポイント”ジャム工房”でティーブレイク。そしてマラソンは続きます。南アルプスを望む伊那谷を抜けて、2つ目のチェックポイントとなる木曽文化公園に到着するころには、ちょうどお昼時です。エントラントはボリュームたっぷりのランチをいただきます。



雄大な御嶽山を望みワインディングをひた走る英国車たち


スペシャルステージは2つの競技をENJOY!
木曽文化公園でのお昼ご飯でお腹いっぱい。そして春の陽気のなかの走行は、少し眠気を誘われそうになりましたが、雄大な山脈に一気に睡魔も吹き飛びます。この区間では、今回、2番目に旧い1937年製造(なんと戦前車ですよ!)のAustin Sevenとランデブー。750cc、17馬力という非力さながら、山岳ルートを心地好さそうに駆け抜けます。そして3ヶ所目のチェックポイントでは、気温は18℃もあって車内はビニールハウスのように汗ばむくらいなので冷たいソフトクリームで休憩です。そして五箇山を抜けて、夢の平スキー場へ。スペシャルステージ(以下SS)が待っています。SSでは設定された距離をブレーキを使わず、設定タイムで走る”スーパースロー”。そして、パイロンスラロームのジムカーナの2つの競技です。ジムカーナは速いがエライ、ハイスピードと、設定タイムに誤差なく走るテクニカルのいずれかを選択。ワタクシは設定タイムを選びます。

British Classic Marathon 初日約400kmを走破!
2日間のイベントの宿泊地となる砺波ロイヤルホテルが、初日最終のチェックポイントとゴールです。スタッフがチェッカーフラッグで我々の帰還をお出迎え。約400kmを走破し、心地よい疲労感と満足感でいっぱいです。チェックインして懇親会を兼ねたパーティに備えます。






そして、夜の部も楽しいのです

エントラント同士の懇親会としてのパーティでは、初日の順位の中間発表や、SSでの表彰式もあります。なんと我々のチームは設定タイムに誤差なく走るジムカーナで入賞!嬉しいですね!バンドの演奏や、じゃんけん大会などで、大盛り上がり。





競技2日目がスタート!我々に挽回のチャンスはあるのか!?
朝のドライバーズミーティングを終えたエントラントは、中間発表にあったポジション順にスタートしていきます。計算間違いなどヒントもあるので、まだまだ挽回のチャンスもあります。我がチームのコドライバー岡野くんも、出発前、入念に計算しているようですから、きっと我々も初日の35位(参加57台中)から大きくジャンプアップするでしょう(笑)。まだまだ上位入賞のチャンスのある(本当か!?)2日目がスタートします。

そうそう、ここで昨日撮影を忘れたトートバッグの中身を確認しましょう。エントリーリスト、イベント記念のマグ。出発地点となる岡崎市のガイドブックなどが入っています。おっ!そして協賛品のゼロフィニッシュは、時間がないときの洗車に楽チンです。嬉しいですね。そしてシュアラスターラボのエントラント特別プランの目録も!横浜市鶴見区にあるラボでの洗車、遠方の方は大変だと思いますが、関東からのエントラントはこの機会にぜひ、ご利用されてみてはいかがでしょうか。本当に驚きの輝きですよ。

ホテルを出発した参加車両
そしてエントラント一行は、北陸道を経由し、360号線にて2日目最初のチェックポイントとなる一向一揆の里へ向かいます。
まだ雪代の残る白山を眺望しつつ、手取川に沿って157線を勝山方面へ向かい再び福井北から北陸道にて米原方面へ、そして今庄から敦賀を経由して北近江リゾートレストランにて、6度目のチェックポイント。そして昼食タイムで仲間達と、お互いの根拠なき優位性を語り合ったりしたリラックスタイムを過ごしたのち再スタート。




歴史街道を駆け抜けラストスパート


長浜から姉川を抜けて関ヶ原の古戦場を通るルートは、まさに戦国歴史のおさらいをしているようです。大谷吉継の陣の案内看板を右手に見たときに、彼の居城金ヶ崎城のあった敦賀を、わざわざコースに入れたのでしょうか。今度、主催者に聞いてみたいですね。その後、関ヶ原インターより、高速道路を使いゴールを目指します。
2日間で760kmを走破し栄光のチェッカー!


参加した英国車57台がゴールとなる岡崎市シビックセンターに戻ってきます。そして、2日間のロングディスタンスを完走したチームには栄光の“完走バッジ”が手渡されます。我々も無事にフィニッシュのチェッカーフラッグを受けて2019年度の完走バッジを手にしました。



表彰式では上位6チームの発表、結果はいかに!?
表彰式が始まり、特別賞、そして競技結果が発表になります。英国車のみと限定しているラリーだけあって、入賞者への豪華景品もフォートナムメイソンのピクニックセットを筆頭に、英国王室御用達のフォックスアンブレラ、オートグリムといった英国製品が並びます。入賞の6位から順にチームペアが呼ばれます、やはり初日35位というポジションから6位までの挽回は難しかったようです。それでも、コドライバー岡野くんは、間違いなく10位以内にジャンプアップしていると言い張っていますが、6位入賞者以外の発表はまた後日とのこと、結果発表を待つことにしましょう。





そして、なにより我々東京からのエントラントは、ゴール後も岡崎市から300kmの移動が待っています。家に帰るまでが遠足というのは、今も昔も変わりません。東京からスタート、ゴールの岡崎市までの往復600km、そして今回のBritish Classic Marathonでの走行距離760kmの計1,360kmを走りきった55歳のフォード・アングリア。今度の休みにはオイルを交換して、ワックスをかけて労います。

本業はフリーランスとして活動中のスチールカメラマン。愛車は1931年Austin Sevenから、1964年のFord Angliaなど、旧いクルマばかりを10台あまり所有し、日常生活はもちろんのこと、遠方への仕事にも使用。趣味のヒストリックカーレースでは、戦前車からスポーツカー、ツーリングカー、葉巻型フォーミュラーカーまで乗りこなす。そうした経験から自動車専門誌や、雑誌での特集記事などの執筆も行い、半年に一度、雑誌「The Vintage Wheels」の編集長として、旧い2輪車、4輪車の魅力を発信中である。
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