
サイクルウェアを通じて自転車の魅力を届ける -パールイズミ 大西勇輝さん-
サイクリストなら一度は名前を聞いたことがあるであろう「パールイズミ」。
長い経験と高い技術から生み出されるサイクルウェアは日本代表をはじめ、数多くのプロチームや選手からも信頼が厚いブランドです。そんな同社で現在マーケティング担当としてブランドPRやライドイベント開催などを手掛ける大西勇輝さんは、実はガチガチのサイクリストではなく、教員やトライアスロンのコーチ、フリーランスのスポーツインストラクターとして経験を積んだ後に数年前にパールイズミへ入社するという異色の経歴の持ち主。
そんな大西さんにパールイズミが今取り組んでいることや、トライアスロンからサイクリングまで自転車を幅広く楽しむ中でどのようにシュアラスターを使っているのか話しを聞かせて頂きました。
目次
パールイズミ入社のきっかけ
大西さんとは個人的にもう6年ほどのお付き合いですが、このようなカタチでお話しを聞く機会がくるとは思っていませんでした、改めて今日はよろしくお願いいたします。
まずはちゃんと聞いたことがなかったのですが笑、パールイズミに入社したきっかけを教えて下さい。
はい笑、もともとはフリーランスで様々なスポーツ関連の仕事をする中でパールイズミのアンバサダーを努めていてカタログモデルやライドイベントの運営をおこなっていました。
大西さん
当時の自分の仕事はスポーツ全般のコーチ、スポーツ施設の運営、パールイズミのアンバサダー、など多岐に渡っていたのでやることが分散してしまっていて。それがいい部分もあったんですが、少し活動を絞って注力する時期なんじゃないかと思い始めていて、その中で自分の強みはユーザーさんと「一緒に身体を動かすこと」で、その強みを生かしたマーケティング活動ができるんじゃないかと思いパールイズミに入社しました。

なるほど、そういう思いがあったんですね。確かに大西さんのイメージはスポーツ全般なんでも教えてくれるコーチ、というイメージを当時の僕も持っていました。
高校球児からトライアスロンへ
そしてもともと高校球児(神奈川の強豪横浜高校出身)であったにも関わらず大学では野球をやらずにトライアスロンという未体験の分野に進んだのはなぜですか?
高校3年の夏で部活を引退して進路を決めるときにぼんやりと体育大学かなと考えていて、順天堂大学を受験することにきめました。そのときにテストに1000m走っていう実技試験があって1km3分前後のタイムじゃないと合格できないって聞いたんですけど、長距離をちゃんとランニングすることってやったことがなかったのですね。で一回試しに走ったら4分以上かかっちゃって笑、これはまずいと思い陸上部の先生に教えてもらいながらランニングトレーニングを始めたんです。
大西さん
で横浜高校は金沢八景の海が近くだったので海沿いを受験のためにランニングし始めたら、それがトレーニング抜きにして単純に気持ちよくてそこでランニングが好きになったんです。それで入学後にランニングを生かしてなにかできるスポーツってないかな?と考えたときに陸上部はもう中学高校からやっている生え抜きだらけだから、トライアスロンならランニングもあるし、他のスポーツ(スイム・バイク)もできるから面白そうだなと思って、トライアスロン部に入部しました。
受験のためのランニングで楽しさを感じてしまい、それがトライアスロンのきっかけになったんですね、とても面白いストーリーです。
当時はいまよりもさらにマイナー競技でしたけど、大学の部活や同好会は当時から結構ありましたよ。
大西さん
トライアスロンバイクパート トライアスロンランパート
そういう入り方だと、やっぱりトライアスロンの3種目(スイム・バイク・ラン)の中ではランが一番好きですか?
きっかけはランでしたけど、ランとバイクは同じくらい好きですね。スイムはどうしてもプールや海に行かないとできないのでちょっと自分のスキルレベルも落ちますしね笑。
大西さん
大学を卒業されてからは?
教員をやったり、フリーランスでスポーツ全般のコーチやスポーツ施設の運営に関わっていました。まず教員を経験したことはその後にコーチ業での接し方や伝え方とか「教える」ということに関してすごく役にたちましたね。
大西さん
たしかに、大西さんから僕も教わったときにいつも笑顔で優しくわかりやすく教えてくれるのが印象的で、選手でなくプロのコーチだなぁと思いました。
さまざまな社会経験を積まれてからパールイズミに入社されて、トライアスロンではなく自転車だけの業界に入って感じたこととか、自転車への関わり方の変化とかはご自身の中でありますか?
そうですね、いままではどちらかというと付き合う人も含めてトライアスロンが自分の中でもメインだったので、それとは別にあるピュアサイクリストの世界に多く接するようになったのでそこを理解して学ぼうという意識がとても強いです。トライアスリートとサイクリストって似ているようで全く別物ですからね。
大西さん
また、自転車業界は良くも悪くも商流や考えかたが古き良き時代にこだわっている部分を強く感じています。パールイズミも伝統ある昔からの会社なので、それはそれで尊重しつつ、外から来た自分がどう貢献できるかと考えたときに、自分が今まで接してきた他業界でのエッセンスや外の活動を社内にも取り入れつつうまく重ね合わせて行けると良いかなと思っています。

わかります、トライアスリートとサイクリストって別物ですよね。例えをあげるとソックスの長さとかウェアの着方を見ると、この人はトライアスリートだな、ってすぐに分かります笑。個人的な感覚だと良い悪いではなく、トライアスリートは自転車を3種目の中の1つのやらなければいけないパートとして捉えている人が多いのかな、と思います。サイクリストは純粋に自転車に乗るのが好き、って人たちですからその違いは大きいと思います。
そうですね。ずっとズイフトだけやっていて外ではほとんど乗らないのにめちゃくちゃ速い人もいますからね笑。
大西さん
パールイズミのウェアに対する思い
いまはPICC(パールイズミサイクリングコミュニティ)のライドイベントを精力的に開催してユーザーさんと一緒にサイクリングを楽しんだりされていますが、大西さんが感じる自転車の魅力を教えて下さい。
ランニングやスイムと比べるとやっぱり移動できる距離や範囲が格段に広がることですね。ランももちろん気持ち良いですが、自転車はその広がり方が違いますし、見れる景色もスピード感も違います。遊び方も多様性に富んでいるので、西東京の自然の中をライドしても楽しいし、都心でカフェや観光のような楽しみかたもできるので、そのあたりに無限の可能性と楽しみ方を感じています。
大西さん
パールイズミのウェブサイトを見たり大西さんの活動を拝見していると、レース志向ではなく初心者の方やライトなサイクリスト中心に自転車を乗る楽しみを伝えていこうとしているのをすごく感じるのですが、とはいえ日本代表や数多くのプロチームにウェアを提供もされていますよね。
会社としてそのあたりの塩梅というか、どのように考えられているんですか?
会社としてはトップ選手のサポートもしていますけど、そこで得たノウハウをいかにより多くのサイクリストに届けるか、というのも会社の大きなミッションです。最近はコロナ禍もあって通勤や健康管理に自転車を取り入れる方も多いですし、気軽にスポーツバイクに乗る人も増えていますので、いままで以上にライトユーザーに使って頂ける製品の開発、にも注力しています。
大西さん

なるほど、今後ブランドとしてサイクルウェア以外の展開も考えたりしているんですか?
いまのところウェア以外に手を広げていくことは予定していませんが、自転車用のウォレットやサドルにパットをつけられるカバーなど、日常の生活との境目をなくしていくようなアクセサリー類の展開を増やしていく予定です。
大西さん
そういう気が効いたアイテムは自転車ウェアに精通したブランドがだすと安心感ありますね。最近はデイライトを付けようとか、リフレクターが多いウェアがあったり「安全」に対しても各ブランドがそれぞれ取り組んでいるように感じますが、そのあたりはパールイズミとしていかがでしょうか?
これは今に始まったことではありませんが、パールイズミでは以前からサイクリストの安全確保のために、プロダクトでいうと「再帰反射」を肝になるところに必ずつけていて、後ろから見たときにどの位置が最適なのか、視認性は問題ないかなど、プロダクト責任者の佐藤がかなりこだわりを持って取り組んでいます。
大西さん
あとは直接安全につながるわけではありませんが、ウェアの耐久性にもとても細かい項目を設けてテストを繰り返しています。サンプルが壊れるくらいやりますので、それが着用時の快適性を高めて、ストレスがなくなることも結果安全につながると思います。

たしかに僕も何着もパールイズミのウェアを持っていますが、腕やバックポケットのちょっとしたところにリフレクターがあったり、それがデザインを壊さないようにでも後ろから見たときに自身の位置を車に知らせることができる絶妙な場所についていますよね。そして僕はネットに入れずに洗濯しちゃったりするんですが、ほつれてくることも無いし、イチユーザーとして耐久性はかなり高いと感じています。
自転車ケミカルのシュアラスターも楽しく安全に乗ることを製品体験イベントなどで伝えていこうとしているんですが、洗車も「安全」に関わる大事なことなので、まずは皆さん自分で洗車しましょうというところに注力しています。
自転車のメンテナンスと安全への意識
大西さんも20年近く自転車に乗っているので自身で洗車することも多々あると思いますが、大西さんが感じる洗車を自分でやるメリットを教えて下さい。
ひとつは、メンテナンス的な視点があります。特に顕著なのはチェーンで、なにも手入れしていないと汚れや砂がたまったりして、パフォーマンスも快適性もかなり落ちます。やらないと損ですよね、チェーンがきれいならより楽に走れますから。
大西さん
あとは洗車などでバイク触っていると日々の変化に気がつくというか、ネジが錆びていたりボトルゲージがゆるくなっていたり、俯瞰で見たときに気が付かない部分に目が届くので、それは間接的であっても安全管理につながると思います。個人的な意見としては、頻繁に洗車していると愛着が湧いてきますし、見た目も綺麗になるので気持ちよく走れますし、サイクルウェアの着こなしって着ているものだけでなく、自転車もきれいであったりかっこよかったり、トータルでのコーディネートだと思うんですよね。
ファッションと同じで、白いスニーカーも汚れているよりは使い込んでいてもきれいに手入れされている方が断然かっこいいじゃないですか。自転車が常にきれいであることは色々な意味で重要だと思います。
マットフレームの大西さんお気に入り箇所 取材当日もお気に入りのOnは真っ白です
僕もそう思います、自転車も含めてのトータルコーディネートはとても大切ですし、プロ選手や速い人って、やっぱり自転車はちゃんと手入れされていますね。いつ会ってもピカピカ。
シュアラスター自転車ケミカルを使ってみて
実際にシュアラスター製品はかなり前から使って頂いていますが、どれが一番お好きですか?
チェーンクリーナーとゼロフィニッシュですね。チェーンクリーナーは噴射力がとても高いので吹き付けるだけで汚れをある程度飛ばして落としますし、洗浄力も高いのであの黒い汚れがどんどん落ちていきます。
大西さん
ゼロフィニッシュは使ったあとの高級感がとても良いです。自分はマットフレームなのでピカピカひからないんですが、しっとりとした高級感がとてもよく出ます。普通マットのコーティングって拭き跡が残ったりしていてあまり見た目の効果を感じないんですが、これはすごいです。あとはシュアラスターのウェスのクオリティが高いですね。細かい生地クズもでないしこれはかなり良いです。
チェーンクリーナー ゼロフィニッシュ
チェーンルブは使ってみてどうでしたか?
かなり滑らかですし、感覚的ですが長持ちしている気がします。他社さんのだとセミドライは結構な頻度で継ぎ足ししないと軽い感覚が長持ちしないんですが、これは一回挿しただけでかなりの距離持ってくれる印象です。普段早朝に40〜50kmのライドをしているんですが、毎回塗りたてのなめらかな感じを体感しています。スプレータイプなのも塗りムラが出にくいですい使いやすいですね。
大西さん

バイクシャンプーどうでしょう?
汚れがすごく良く落ちますし、吹き付けた瞬間から泡なのでその場に留まってくれてピンポイントで使えて時間が無いときに気になるところだけ吹き付けてから水を含んだスポンジで拭き流しています。
大西さん
昔は中性洗剤を水で薄めて、風呂場でゴシゴシとか洗っていたんですけど笑、大掛かりな洗車から手軽な洗車まで幅広く使えて便利です。
大掛かりな洗車は月に1回くらいなんですが、チェーンだけ汚れを落としたりフレームの気になる汚れを落としたり、というのはもしかしたら毎回なにかしらやっているかもしれません。夏は汗やドリンクの垂れがフレームに絶対つくので、自分は黒いマットフレームでその汚れは目立つので毎回必ず拭き取るようにしています。

どんなに晴れていても舗装路しか走らなくても、細かくチェックすると汚れって結構ついていますからね。シュアラスターの自転車ケミカルを使い始める前と後でなにか大きな変化はありましたか?
洗車の自分自身のクオリティが上がったと感じています。正直それまではチェーンクリーナーとオイルくらいしか使っていなかったので、フレームはもちろんきれいに保っていましたけど先程も話したように中性洗剤をつかったり乾拭きだけだったのが、シュアラスターの製品を使うようになってからは用途別に段階を経て洗ったり、最適なケミカルで部分的に掃除したり、素人ですけど用途別に最適なモノを使うことで洗車レベルが格段に上がったと思います。自分でやってもそれなりに仕上がるので、それがまた楽しくなるし洗車しようっていうモチベーションにも繋がります。
大西さん
それすごくわかります。僕自身も洗車が楽しくなって、以前だったら雨で濡れたら洗車大変だなぁと思っていたのが、いまでは雨に振られてもなんの苦もなく楽しく洗車している自分がいます笑。
シュアラスターさんの製品を使い初めて、「洗車」というまた新しい自転車の楽しみ方が一つ増えた気がします。製品のクオリティには大満足ですが、個人的にはパッケージがいまはいかにもカー用品的な見え方なので部屋にそのまま出しておいても溶け込むようなおしゃれなパッケージだといいなと思っています。
大西さん

今日は色々とありがとうございました。今後もイチユーザーとしてパールイズミのサイクルウェアを楽しみにしていますし、微力ながら一緒に盛り上げていきましょう。
パールイズミという70年以上の歴史を持つ老舗サイクルウェアブランドで新しい風を吹き込んでいる大西さんは、文中にもでてきましたが「PICC(パールイズミサイクリングコミュニティ)」というサイクリストなら誰でも参加できるライドイベントを定期的に開催しています。SNSやウェブサイトで随時参加募集していますので、サイクリング仲間がほしい方や大西さんに会ってみたい、という方もぜひ参加してみてください。自転車の楽しみに一つでもある、人と繋がることができるコミュニティです。
そして、今後はシュアラスターサイクルクラブとPICCでのコラボライドイベントなども開催できたら参加者の皆さんにより楽しんで頂ける面白い企画になりそうなので、大西さんと画策中です。
そちらもお楽しみに!
取材協力
パールイズミ
https://www.pearlizumi.co.jp/
大西勇輝Instagram
https://www.instagram.com/bigwest.sports/?hl=ja
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記事に出てきた商品

サイクリスト。
会員制サイクルコミュニティ「CYCLE COMMUNE TOKYO」主宰。
40歳から乗り始めたロードバイクにどっぷりとはまり、安全で楽しいサイクリングを多くの人と楽しみたいたいとの思いからサイクルコミュニティを立ち上げる。
また、様々なブランドの自転車関連の企画やライドイベントにも携わるフリーランスのサイクリストとしても活動しています。
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