カーガイが認めたゼロフィニッシュVol.08
I.D.E.STORE 井手 勝さん

インディーズ文化発祥の地、東京・高円寺エリアにあるI.D.E.STORE(アイ・ディー・イー・ストア)。ここはマウンテンバイク、BMX、ロードバイクから、街乗り自転車まで何でもいじってくれる頼れる自転車屋さん。パンク修理にはじまり整備、チューニング、カスタムなどを実質一人でこなし、実はかなりのカーガイでもある店主の井手勝(いで・すぐる)さんを訪ね、シュアラスターのゼロフィニッシュを試していただいた。

自転車|アイディーイーストア|カスタム|レストア|修理|高円寺|店頭

スタイリッシュな街の自転車屋さん

水泳の選手だった大学時代、トレーニングのために乗りはじめたことで自転車の魅力を知ったという井手さん。お世話になっていた世田谷の有名プロショップ『BMX RIO』にアルバイトとして入店、卒業後しばらくして同店の支店『BMX RIO厚木店』を任されるように。その後独立して厚木市内に自分の店を持ち、2005年には縁あってアメリカ発の自転車ブランド『エレクトラ』専門店の店長に就任。そして2008年に高円寺の環状7号線沿いに新たな自分の店、I.D.E.STOREをオープン。借りていた建物の老朽化にともない現住所に移転してきたのは今年の7月。昔馴染みと、お店の地元である中野や杉並界隈のお客様を中心に、様々なタイプの自転車乗りに愛される街の自転車屋さんだ。

実は筆者も厚木時代から井手さんの店に愛車を持ち込んでおり、当初は山を走りにゆく本格的なマウンテンバイクのチューニングやメンテナンス、その後は旧い車両を持ち込んでカスタムをしてもらうことも。現在は家族の自転車まで面倒を見てもらっている、とても長い付き合いなのだ。

店主の豊富なキャリアから、各種スポーツ車の販売・メンテナンスはもちろん、フレームから組み上げたいというマニアックなライダーへのサービスから、“ママチャリ”のパンク修理まで、自転車のことなら何でもこなせる頼れる存在。

これまで経営してきたお店は、仲間やお客さんの手を借りながら可能な限り自分自身で店作りをしており、そのどれもがスタイリッシュでオシャレ。品揃えや店内のディスプレイからは、井手さんの趣味趣向やセンスをうかがい知ることができる。

この夏、にぎやかな幹線道路沿いから住宅地に移転したI.D.E.STORE。すべてをプロデュースしている井手さん自身がもつ、スポーツマンらしい爽やな雰囲気そのままの、スタイリッシュな外観、インテリアも店の個性になっている。店内には井手さんの目利きでセレクトされたマニアックかつカラフルなパーツや用品が並び、それに混じって自身のコレクションであるアメリカンな雑貨やオモチャ、写真集などもディスプレイされている。

遊び心あふれるカスタム自転車

「街の自転車屋としてお客さんのニーズに合わせたお手伝いをしながら、カスタムにも力を入れています。」と笑顔で話す井手さん。旧くて痛んだ車体を持ち込んでのカスタム依頼も大歓迎だという。取材中にもご近所在住の男性から、放置して自走できなくなったプジョーの折り畳み自転車のレストアを引き受けていた。

「新しいものに買い換えるのもいいですが、何年も乗っていなかったけれど大切に保管していた自転車をきれいに修理して、ちょっとカスタムしてオシャレに乗るのもカッコいいと思うのです。他のお店がやりたがらないようなこと、サービスを提供したいと思っています。」オリジナル度を重視して再生するだけではなく、最新のパーツを使ってちょっと遊び心のある仕上げにするのも得意だという。

「カスタムというとクルマやバイクではポピュラーですが、自転車をカスタムする人はほんの一握りです。そもそもカスタムなんかできないと思っている人もいる。でもママチャリだってハンドルグリップやサドル、ペダルを交換するだけで全然違う雰囲気になる。自転車マニアじゃないお客さんにそんな提案をしてあげると、凄く喜んでいただけます。これまで、ママチャリから高価なスポーツ車まで何でもいじってきた経験とノウハウがあるし、アイデアの引き出しをいろいろ持っているのもウチの強みだと思います。」

自転車|アイディーイーストア|カスタム|レストア|修理|高円寺|

カラフルなパーツや用品が目につく店内。通りがかった自転車乗りのタイヤ交換の要望にも素早く対応する井手さん。

自転車|アイディーイーストア|カスタム|レストア|修理|BMX|マウンテンバイク|ロードバイク

新旧いろいろな自転車を、最新のパーツも使いながら既成概念にとらわれずにカスタムするのがI.D.E.STOREのスタイル。ご覧の通りベース車はBMX、ロード、マウンテンバイク、小径車とさまざま。

自転車|アイディーイーストア|カスタム|レストア|修理|BMX|マウンテンバイク|ロードバイク

これはかつて筆者が井手さんに依頼してレストアカスタムしてもらった一台。フレームは筆者の父親が乗っていたヴィンテージものだ。自転車が製造された1950年代のクルマで一般的だったからと選んでくれたホワイトリボンタイヤは、なんとママチャリ用だ。

クルマにも遊び心を

冒頭にも書いた通り、井手さんはかなりのクルマ好き=カーガイ。その時々の気分でいろんなクルマを乗り継いできた。

「厚木で店をやっていた頃はクラシック・ミニのカントリーマンとキャブ車を乗り継ぎました。それから自転車がたくさん積めて便利だったシェビーバン。そのあとはフォルクスワーゲンのバナゴン、マニュアルに乗りたくなってゴルフ3のGTI、メルセデスのW210ワゴン、友人から譲り受けたアルファロメオ147など。今の愛車はスバル・アウトバックです。もともとクルマが大好きで、自転車を積んで遠くにツーリングにも行っていました。東京に店を出してからも厚木に住んでいるので通勤で毎日乗っています。」

そう、過去から現在まで、筆者との会話の中身も自転車よりもクルマについての話題の方が多かったことに、今気がついた。

人や荷物を積んで移動するという道具としての機能も大切だが、クルマにも遊び心が必要だと井手さん。そしていろいろなクルマを知ることは、自転車のカスタムにも役立っているという。

「スタイリングやカラーリング、デカールの貼り方なんかもカスタムのヒントになります。だから常に雑誌やネットでトレンドをチェック、クルマ、バイク関係のショーイベントにも足を運んで、楽しみながら情報収集しています。」

自転車|アイディーイーストア|カスタム|レストア|修理|シェビーバン|フォルクスワーゲン|バナゴン|アルファロメオ|スバル|アウトバック

左上から、たくさんのマウンテンバイクを積んでお客さんと山に走りに行ったシェビーバン。コンパクトで自転車も積みやすいフォルクスワーゲン・バナゴン。アルファ147は自転車雑誌のライターから譲り受けたもの。今の愛車は、自転車競技のサポートカーとしても有名なスバルのアウトバック。

手軽な使い心地が自分に向いているゼロフィニッシュ

I.D.E.STORE店主、井手さんにカーケアについても聞いた。

「実はあんまりマメに磨くタイプではありません。洗車機に入るサイズのクルマならばガソリンスタンドで洗ってしまう。自転車もクルマも『乗ってナンボ』だと思っているので、普段のケアにはあまり時間をかけていない。ズボラですね。」

だから、水なしでも手軽に汚れが落とせて、艶出し・ガラスコーティングまでできてしまうゼロフィニッシュは自分に向いていると笑顔でスバルをケアしはじめた。

不安定な天気が続く今年の夏。雨粒のあとが気になっていたというボディにゼロフィニッシュをスプレー。マイクロファイバークロスで拭き上げる。

「水洗いなしでも使え、軽く拭き取れていいですね!」と井手さん。ツヤ消しペイントされているグリル、メッキのエンブレム、モールや、ウインカーレンズがビルトインされたドアミラー、SUVらしいバンパー下の樹脂部分も施工。「どこでもこれ一本でケアできるのが手軽だな~。」

ブレーキダストが気になっていたというホイール、屋根に取り付けられたルーフレール、そしてリア周りもクリーンアップ。

さらに店頭に並んでいたHAROのBMXもゼロフィニッシュでケア。「クルマの樹脂メッキ部分も、本物のアルミフレームも、輝きが増して深みのある仕上がりになりますね。」

井手さんにはシュアラスターの自転車用チェーンクリーナーとチェーンルブも試していただいた。

「クリーナーはこうやってウエスをあてながらスプレーしてやると、汚れが飛び散ったり垂れたりしにくい。チェーンルブはブレーキディスクなどに付いてしまうといけないので、注意しながら噴きかけます。両方とも折りたたみ式のノズルが付いているのがいいですね。」

楽しく走るためのお手伝いを

最後にI.D.E.STOREのこれからについて聞くと、「自転車は速く走らせるのもいいけれど、他にもいろいろな楽しみ方があります。僕の仕事は、人に見せたくなるような素敵な自転車、人と違うカッコいい自転車をご提供すること。車両の販売だけでなく、お手持ちの自転車を持ち込んでいただいてカスタムすることも、これまで通りやっていきたいと思っています。地元の方はもちろん、厚木時代からのお客さんをはじめ、神奈川、埼玉、千葉からお越しくださる方もいらっしゃいます。車両やパーツ、用品、アパレルもいろいろご用意していますので、ぜひお気軽に遊びにきてください。」と井手さんは語ってくれた。

今、筆者も旧い街乗り自転車のカスタムをお願いしている。秋の気持ちいいシーズンには完成するであろう一台に乗って走るのが、今から楽しみだ。

自転車|アイディーイーストア|カスタム|レストア|修理|店主

井手 勝(いで・すぐる)さん
愛知県出身。日本体育大学卒業。東京・中野区の自転車屋、I.D.E.STORE店主。厚木、渋谷、杉並と場所を変えながら自転車屋一筋。持ち前の好奇心で、クルマ、バイク、アメリカ雑貨、アパレル、スターウォーズなどさまざまなジャンルにも造詣が深い。

取材協力:I.D.E.STORE(アイ・ディー・イー・ストア)

自転車|アイディーイーストア|カスタム|レストア|修理|店頭|東京都高円寺

子供用を含むオールジャンルの自転車販売・整備・修理を手がけるほか、旧い車両のレストア・カスタムも得意とする。店主のセンスと趣味が反映されたスタイリッシュで居心地がいい店舗も自慢だ。現住所には今年7月に移転したばかり。

I.D.E.STORE
所在地:東京都中野区大和町1-58-4 1F
電話:03-5356-7267
Instagram:
https://www.instagram.com/i.d.e.store/
Facebook:
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